「1章・始まりの時」

某街。

瀬那と契弥は又違う街を歩いていた。
すると、街頭の巨大電光掲示板に、ニュースが飛び込んでいた。
それは、自分たちのあの街での出来事だった。
二人は顔を隠しながら、とある小屋に入っていった。

契弥はここで以前、自分にCHAOの使い方を教えてくれた、
とある老人の所に訪れた。

―おぉ、来てくれたか、契弥・・・。
 そっちのかわいらしい子は一体だれだい?
―瀬那。俺たちと同じ、CHAO保持者だ。
―そうか・・・なら、契弥、CHAOやあの街のことについては話したか?
―話した。ただ、やっぱり、まだよく分からないらしい。
―そうか・・・そうだな。なら、私が説明する。
 契弥、おまえにも言ったことがないことも話す。聞いてくれ。

年老いた老人は静かに話し始めた。

―ある街とは「ホークードタウン」、能力者の街だ。
なぜ、そこに集まるかというと、ここはCHAOの力がリセットされるのだ。
なぜなら、その街の下には巨大なエメラルドが埋まっている。
それが、あの街を守り、CHAOの力を抑えさせているのだ。

今、私はここにいる。
もう、年老いてしまった。あそこに戻る気力はないのだ。
この小屋も最近警察がうろついている。もう、後は短い。
だから、契弥、おまえにその街への地図と、新しいCHAOを教える。
心して覚えよ。
前も言ったが、CHAOはCが一番負担が少なく、弱い。
逆に、Oは最強である分だけ、負担が非常に大きい。
場合によっては死ぬことがある。

契弥は少しつばを飲み込んだ。

―だから、これを使うのはある負担の身代わりになる「チャオ」が必要だ。
 おまえには、パートナーがまだいない。
 でも、これは私しか知らない、強力なCHAOだ。

すると、契弥は瀬那を隅に行くよう指示した。
老人はうなずいて契弥に強烈ないかづちをぶつけた。
これが、CHAO伝承の儀式であることを瀬那は知らなかったため、きゃっと叫んだ。
契弥は倒れたが、やがてすぐに起きた。
そして、ふるえている瀬那を抱きしめた。
契弥の中で新たな力が生み出された。

―いま、おまえの中で何かが目覚めただろう。
それはO・infinityと言う技だ。CHAO能力でもっとも強いものの一つだ。
 ただ、O系のCHAOを使うにはおまえはまだ早い。
 だが、私はもうダメだ・・・さぁ、もう行くんだ。
 振り向くな。

老人は契弥と瀬那が小屋から出た後、悲しい笑顔でつぶやいた。

―力は無事に伝えられた。
が、我が息子夫婦が死んで、孫の赤ん坊は行方知らずのまま、私は死ぬのか。
 会いたい、もう一度、孫に・・・。

その時、警察が一斉に入り込み、老人を射殺しようとした。
しかし、老人はすでに息絶えていた。
その握っている写真には彼の孫らしき赤ん坊が写っていた。

そこに写っていた赤ん坊をみた警察の一人は驚いていった。

―これは、俺の地元の県大会に出ていたスーパーベイビーと似ているぞ!

そう、そこには「タフべぃびい」が写っていた。

警察は直ちにその赤ん坊を指名手配する指令を出した。



そして、物語は、始まった。



To be next・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第265号
ページ番号
4 / 4
この作品について
タイトル
バクチク
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第265号