第27話 本当の力 フェリル
フロウVSブルーイはブルーイに軍配があがった。
スタジアムフィールドでは、シリスVSフェリルの準備が着々と進められていた。
西側ロッカールーム・・・フェリルのいる所
フェリルは自分の武器・・・長い刀をみつめていた。
今までフェリルが戦ったのは、予選しかなかった。
それも、クロフォード以外、観戦にはきていない。
だから、彼以外、誰もフェリルの戦いを見ていなかった。
対戦相手は―――シリス。
一回戦で、彼女の戦いを見た限りでは敵ではないことは、フェリルにはわかっていた。
あのレアナというチャオもなかなか・・・と感じることはなかった。
フェリルは刀を3本持ち、ベルトに収めると、フィールドにむかった。
すでにシリスが待ち構えていた。
「フェリル・・・貴女と戦うのははじめてね。よろしく」
シリスは双刀の短剣をぬく。
「・・・勝たせてもらうわ」
フェリルは一本の刀をぬく。
シリスはいままでのフェリルとは違うことに気づいた。本気だ。
「試合ゴーーーー!」
わけのわからない審判の掛け声とともに二匹が動く。
シリスはフェリルにむかって短剣を投げた。
フェリルは軽く避ける。
だが次の瞬間、短剣は真っ二つになり、地面に転がっていた。
「えっ・・・」
シリスが目を丸くする。
「見えなかった?私がこの刀で斬ったのよ・・・」
フェリルはシリスを睨みつける。
「悪いけど・・・勝たしてもらうわ」
フェリルはものすごい速さでフィールド場をかけぬける。
「なっ・・・」
シリスは動けない。
次の瞬間、目の前にはフェリルがいた。
「ッ!!!」
フェリルはもう一本、刀をとりだし、シリスに襲い掛かった。
シリスはそれを日本刀で受け止めるが、後ろに少しずつ後退していった。
「なかなかしぶといけど、これで終わり」
フェリルの右腕が光る。続いて刀も光りだした。
「サンライズスラッシュ!!!」
フェリルが叫ぶ。次の瞬間、フェリルの刀を目を開けられないぐらいまぶしくひかる。
「くっ!」
シリスは手で光をさえぎる。だが次の瞬間、彼女は波動に襲われていた。
シリスはその場にどさっと倒れた。
「フェリル選手の勝ち。それだけ」
審判のシンプルな言葉が響き渡った。
観客席
「強っ!」
ブルーイが目を丸くする。
「まったくだな」
クロフォードがつぶやく。
「フェリルは昔から剣の修行をやってたらしい。強いのも当然だろう」
「らしい、って・・・一緒にいたのじゃなかったのか?」
ブルーイがクロフォードを見る。
クロフォードは苦笑いする。
「フ・・・俺とフェリルを幼なじみと勘違いするな阿呆。もともと俺は・・・まぁ事情があったんだ」
「へぇ、まぁきかないことにするよ」
結局ブルーイとクロフォードの会話は終わった。