第26話 恐ろしい強さ ブルーイ

審判の合図とともに、二匹は動いた。

フロウは剣を抜き、そのまま突進する。

ブルーイは両手にエネルギーをためる。

「いくぞ、ブルーイ!!!」

フロウは剣を振る。目にも留まらぬ速さで、さすがのブルーイも避けるのが難しい。

「はや
「双連剣!!!」

フロウは剣をたてに振り下ろす。二つのエネルギーがブルーイにむかってとんでいく。

これをブルーイは右に飛び避ける。だが、体勢を崩した。

その隙をフロウは見逃さない。横をむいているブルーイを縦から切りつけたのだ。

「!!!」

ブルーイは地面に受身をとれず落ちる。そこにフロウは剣を突き刺す。

「うわっ・・・」

ブルーイはうめき声をあげるが、すぐに目を見開く。そしてフロウの体に左腕をつきだす。

「そっちも隙はある!ハンドソード!」

ブルーイが叫ぶ。次の瞬間、左腕は剣になり、フロウの身体を貫いた。

「!!!・・・かはっ・・・」

フロウはその場でブルーイに重なるようにして倒れた。

両者とも剣は刺さったまま。もはや体力、精神力の戦い。

20分後

「フロウ・・・降参してくれ・・・痛いっす・・・」

ブルーイは小さい声でフロウに話しかける。

「フン・・・体力・・・精神力などは貴様より・・・俺のほうが高い・・・」

フロウも小さい声。

「この後はジーノVSマッドメアの勝者だよ~?しんどいんだから長引かせないでくれ・・・」

フロウの返事はなかった。どうも今フロウの力が抜けたような・・・と思ったブルーイはぞくっとした。

「まさか!おいフロウ?・・・フロウ!」

返事はない。かろうじてフロウの顔を見る。

―――目を閉じていた。

フロウの意識がないのだ。

ブルーイはあわてた。今は剣が地面にまで突き刺さっていて、起き上がれない状態。

しかも力が入らなく、フロウがのしかかっている。剣をぬかなければフロウは助からなかった。

ブルーイは剣を腕に戻し、足で剣を地道に抜いていった。抜き終わったのは5分ぐらいたってからだった。

「くっ、なんとかぬけたか。・・・審判!フロウの意識がない!試合を中断してくれ!」

ブルーイは審判にむかって叫ぶ。

「し、しかし・・・それではブルーイの勝ちになりますが」

その言葉で少しブルーイは考えた。

まだちゃんとした戦いはやっていない・・・。今、戦わないと次はいつ戦えるかわからない。

それでも今はフロウの命と優勝が問題だった。

「かまわないからはやく!」

「わ、わかりました・・・」

こうしてブルーイVSフロウはたいしたことはなく幕をとジタ・・・(ォィ

このページについて
掲載号
週刊チャオ第163号
ページ番号
28 / 34
この作品について
タイトル
青き鳥の旅
作者
ブラックス(T・K,クリムゾル)
初回掲載
週刊チャオ第127号
最終掲載
週刊チャオ第175号
連載期間
約11ヵ月17日