第21話 1回戦 北の覇王ジーノ
決勝トーナメント初日の最終バトルの時間が迫ってきた。
試合内容はジーノVSクラック。
ジーノは、この地の、北の地方の覇王ともよばれるチャオ。
クラックは小さい大会での優勝を10回以上誇る。
誰もが大接戦を予想していた。
観客席には、相変わらずブルーイとフェリル、ツルギ、試合の治療が終わったフロウ。
「二匹とも強いのかYO!」
またブルーイがふざける。
「クラックはしらないけど・・・ジーノはかなりの実力者よ」
フェリルが答える。その言葉にフロウはフェリルに顔をむける。
「戦ったことがあるのか?」
フェリルは首を振る。
「クロがやった事がある」
フェリルは『クロフォード』の言葉がでてきて、今はここにいない、ということでしょんぼりとしてしまった。
「ともかく僕はジーノにかける」
何故『ともかく』が入ってるかはわからないが、ツルギが言う。
「俺も!」
ブルーイは手をあげる。フロウもうなずく。
そして数分たち、二匹が入場してきた。
ジーノはフードをかぶっていて、顔もよく見えず、手と足だけが見える。色は黄色。
その足音はなにやらブーツっぽいものを履いているのか、コツッ、コツッという音だ。
クラックはノーマルダークチャオで、殺意がある。
手にはナイフをもっている。
「え~と?じぃのば~さすくらっく・・・すたぁと!」
どうやら審判はコドモのチャオらしい。
「お前を殺す!そして2回戦!そして・・・俺はこの大会で優勝する!!!」
クラックはジーノに突撃した。
「・・・」
ジーノは何もいわずに右腕でクラックを指差した。
次の瞬間、その指から黒いエネルギーがこめられた銃弾が発射された。
「なっ!?」
クラックは素早く攻撃を避ける。
今度は両手(=10本の指)で、攻撃するジーノ。
全てをかわすクラックだが、ジーノに近づけない。
「くっ!ならまとめて殲滅する!ソードレイン!!!」
クラックが一声叫ぶと同時に、無数の剣が落ちてきて、エネルギー弾を消滅させる。
「フン、貴様、いつまでもそんな攻撃が通用するとでも?」
クラックはジーノを馬鹿にする。
ジーノはかまわず同じ技を繰り返す。
それを全部消滅させていたクラックだったが、とうとうポヨが竜巻状態になり、ジーノに突っ込んでいった。
「ウりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ジーノはこのときやっと動いた。
今までは小さいエネルギー弾だが、今度は違った。
どんどん手に力をためている。
クラックはこれにかまわない。
あとちょっとのところになっても、ジーノは動かなかった。
そして斬られた―――はずだった。
だがジーノはもとの位置にいた。
「な・・?俺の攻撃がきかな
クラックは全部言い終わる前に銃弾で体を貫かれていた。一発ではない。何十、何百ものの銃弾がクラックを襲っていた。
クラックは地面に倒れた。
ジーノは倒れてるクラックの横になにかを置くと、さっさと試合会場をでていった。
審判のチャオは泣いていた(ぉ
横に置いてあったのは、なにかのアクセサリーだった。
ジーノ2回戦進出
続く