第19話 1回戦 シリスの死闘<前編>
フロウは2回戦進出をきめた。次はシリスが行われる。
「ん~次はシリスか~」
と、ブルーイ。
「面白くなりそう・・・だね」
ツルギはフェリルの隣に座る。
「ツルギっ!?試合はまだなのか?」
ブルーイは何故か驚く。
「ま、まだだけど・・・この試合の次の次」
そして両選手が入場してきた。
ブルーイはレアナというチャオをみて「あ!!!!!!!!!!!!!」と思わず大声をあげてしまった。
そう・・・レアナはライトカオスチャオ・・・ブルーイに銃をむけていた、♀チャオだった。
シリスの武器は双剣、レアナは薙刀だった。
レアナは完全に使いこなしてるらしく、軽く薙刀をふりまわしていた。
「バトルスタートでござる!!!」
審判が何故か『ござる』をつけて、試合開始を宣言する。
「本気でおいで!」
レアナは薙刀をシリスのほうにむけながら言う。
「言われなくても」
シリスはそれだけ言うと、集中し、レアナに突撃した。
普通に戦えば、レアナのほうが有利、と考えていた。
レアナの武器は薙刀。こちらの双剣でただ突撃しても、遠距離攻撃の得意なレアナの前には自分もかなわない。
そこでシリスは考えた。まずは、薙刀をレアナの手から離す、という戦法にでた。
そのためには接近し、レアナの攻撃をよけながら、やるしかなかった。
近付くと同時に、レアナは頭上で横に薙刀を回転させる。
シリスはそれをよけるために、スライディングをした。
静電気がないために(ぉ)よくすべり、レアナのすね(チャオにあるのか?)にあたる。
「!痛っ・・・」
レアナは少しひるみ、後ろに後退する。
それをシリスは見逃さなかった。
シリスは飛び上がり、叫ぶ。
「双龍眼斬り!」
2つの剣から龍が浮かび上がる。
そして、目にも留まらぬ速さで、レアナをきりつけた。
「きゃああっ!!!」
レアナは悲鳴をあげ、地面に倒れる。
シリスは(今!)と思い、2打撃目を与えようとした次の瞬間、レアナは薙刀をシリスに投げつけてきた。
シリスはその行動を予測してなかった。なんとか体自体は避けるが、右肩にあたる。
「うっ!!!」
シリスは剣を落とし、右肩を抑える。
薙刀はブーメランのように、レアナのもとにかえった。
「なかなかやるわね・・・でもまだまだこれからよ!」
シリスは剣を再び持ち、立ち上がる。
レアナも立ち上がる。それほどダメージはないようだ。
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
レアナは掛け声とともに、薙刀を振り回す。
どんどん振りがはやくなる。
そして突撃してきた。
シリスは剣でうけとめたり、避けたりするのが精一杯で、攻撃がなかなかできない。
そして一撃が繰り出された。
「紅炎乱舞(こうえんらんまい)!」
薙刀の刃の部分が炎に包まれる。それをシリスにむかって振り下ろしてきた。
火の粉が散る。
シリスは力負けし、後ろに吹き飛ばされた。
「くっ!」
シリスが起き上がる前には、すでにレアナは空中にいた。
「これで・・・終わりよ!」
その声と同時に、レアナは思い切り、シリスの腹部に薙刀を突き刺した。
ズブッという刃が突き刺さる音。
「きゃ・・・」
シリスは悲鳴をあげる事もできないくらい、ダメージが大きかった。
手でぬこうとしても、レアナは体重をかけてるため、まったく動かない。
シリスの手から力がぬけてきた。
「う・・・ぅぅ・・・」
もはや意識がプツンと(ぉ)きれそうな所で思いついた。
前、Cチームと戦ったとき。シリスは日本刀でピンチをしのいだ。なら今回も。
歯をくいしばり、シリスは日本刀をとりだし、殺さぬように、レアナの左胸を突き刺した。
「え・・・?」
レアナも苦しみはじめる。
シリスはそこでレアナを蹴る。
刀はぬかれ、レアナは後ろに吹き飛んだ。
その瞬間、薙刀にこめられていた力は消えた。
シリスは薙刀をぬき、ふらふら立ち上がる。
「返す!!!!!!」
ブルーイを苦しめた怒り。(ぉ
ものすごい速さで、レアナの左胸にまた突き刺さる。(刃の部分ね(・・)
「くはっ・・・まだよ!!!」
レアナも根性である。薙刀をぬく。
観客席
「そろそろ二匹とも限界?」
ツルギがいう。
「ダナ。残りは集中力ダネ」
と、ブルーイ。
(さぁ・・・どうでる・・・?シリス・・・)
ブルーイは心の中で思っていた。