第17話 ショック~謎の敵?
選手一同は中央スタジアムに集まっていた。
「どうやら騒動らしいね」
話すチャオが来るまで中で自由行動をとっていたブルーイは声をかけられた。
「ん?ぁ!ツルギ!!!」
そこにいたのは試合前にロッカールームであった、紫色のニュートラルハシリチャオの『ツルギ』だった。
「なんだかチャオが二匹襲われたとかねぇ・・・」
ツルギはなんともなかったような口調で喋っている。
ブルーイは(ぇ?)と思った。ギフォルが襲われたのは『ニセモノでウルサクテ、うざいマントをつけて、かっこをつけているライーザ(長っ!』から訊いたが、もう一匹は知らなかった。
「へ?二匹って・・・?」
ブルーイがツルギにきくとツルギも(ぇ?)という顔をした。
「あれ・・・知らなかったのかい・・・?ギフォルってチャオとクロフォード・・・」
その言葉をきいた途端、ブルーイは衝撃を受けた。
クロフォード―――クロフォード・・・
ツルギの言葉が頭の中でこだまする。
「・・・?ブルーイ?」
ツルギの言葉で はっ! と我に返ったブルーイ。
次の瞬間、放送がはいった。
「至急スタジアムの真ん中にきてください」
このスタジアムの支配人が現れ、内容を話し始めた。
「昨日の午後12時ごろ、決勝tーナメントにのこった、二匹のチャオが襲われる事件がおこりました。・・・クロフォードとギフォルです」
皆の悲鳴や驚きの声がきこえる(いるチャオは少ないけど
「二匹は今は病院に入院中です・・・命にかかわる重傷だそうです。・・・この事態につき、これから皆さんには、ここ、中央スタジアムのこの真ん中ですごしてもらいます!!!」
なんだか真ん中を強調している。
非常時にもかかわらず、ブーイングがとぶ。
しかし、支配人はきかず、かえってしまった。
ブルーイたちはそれから眠る事はなかった。
クロフォードが被害者、という事で、フェリルは皆を避け、端っこでうずくまっていた。シリスも顔を下にむけて座っている。フロウは微動だにしないが、心は傷ついていた。
ブルーイも暗い表情だったところを、何者かに話しかけられた。
「ククッ。面白くなってきたな・・・?」
ブルーイは顔をあげる。そこにいたのはサファイア色のダークカオス・・・マッドメアだった。
「なんだと・・・?」
ブルーイはマッドメアを睨みつける。
「お前のさっきの表情じゃ、やられたのは仲間だな・・・?」
マッドメアはニヤリと不気味に微笑む。
「まさかっ・・・お前がっ!?」
ブルーイはこのときは頭がうまく回転しなかったので、推理せずに、直感的に犯人をきめていた。
「クク・・・」
マッドメアはまた笑い、背中をむけ、ブルーイから離れようとした。
「お前・・・」
ブルーイは殴りかかろうとしたが、ブルーイから一番遠い距離にいるライトカオスチャオに、銃らしきものをつきつけられてるのがわかった。
ブルーイはあわてて後ろに退却し、フロウを見た。幸い、見てはいない。
そして夜が明けた。
続く