第六話『最強』
{ノヴァ}「チャオとANOTHERは同じものだ」
この一言に僕は少しの間、口が開いたままだった。
チャオもANOTHER?
でも・・・
{アルト}「チャリオットには触れるよ?
ANOTHERだったら通り抜けるんじゃないの?」
{ノヴァ}「・・・チャオ達は両方の性質を持つ。
まず、『物質』だ。つまりは実体を持つ。
そして『ANOTHER』だ。
ANOTHERの力・・・通称、念力。
よく人間界に居るであろう。
エスパーなどとほざく者どもが。
あれはANOTHERの力だ。
ANOTHERと和解した者達だ」
{アルト}「和解?和解と言うと・・・」
{ノヴァ}「まあ、言い方を変えると『契約』だ。
名声欲しさに命を渡した愚か者どもだ」
{アルト}「い、命!?
ってことは、死んじゃうの!?」
{ノヴァ}「すぐには死にはしない。
少しづつ寿命が減っていくのだ。
最後には死体は残らない。
何故なら全てANOTHERが食い尽くすからだ」
ANOTHERが人を食う!?
ANOTHERって食人鬼だったの!?
{ノヴァ}「チャオは念力も持つ。
だが、いくつか我々と違う点がある」
なんだろう・・・人を食うところが違って欲しいけど・・・。
{ノヴァ}「まず、奴等は宿主を必要としない。
ANOTHERは媒介となる宿主が必要不可欠である。
しかし奴等は独自で活動が出来るのだ。
二つ目の違う点は、『キャプチャー』
という能力を持っている。
この能力は触れた生物を
自分に取り込むことが出来る。
そして相手の特徴を得る。
つまり相手に触れさえすれば最強だ」
つまりチャオは史上最強の生物ってこと・・・!?
ってえええ!?
{ノヴァ}「その能力を使ってチャオ達は
『スピリットデストロイド』の者達に対抗している」
でもぉ・・・相手もANOTHERなんだから、
あまり意味はないんじゃ・・・
でもノヴァは僕の心を見透かしているかのように続けた。
{ノヴァ}「前にも言ったが、ANOTHERは全ての生物に存在する。
つまりは人間以外の生物にもだ。
牛などをキャプチャーすれば、角が生えたりする」
ってことは、人間キャプチャーしたら・・・怖いからやめとこぉw
{ノヴァ}「・・・そういえば、お前の両親はイギリスに行け、
などとは言ってないそうだが?
日本では『神隠し発生か?』とか出ていたが・・・」
ええええ!?
ちょ、ちょいまちい!
何で僕が神隠し!?
ってか僕は親に言われてここまで来たんだよ!?
何で!?
{ノヴァ}「・・・やはりな。奴等だ」
奴等と言うと・・・『スピリットデストロイド』!
第六話完
第七話へ続く