第二話『覚醒』

・・・今の僕の状況。
一言で表すなら『とってもやばい』
とにかくここは怖い。
周りには顔がヤクザ系の人たくさんいるし・・・。
とりあえず何か聞いてみよう。

{アルト}「あの~・・・ここはどこですか?」

僕は怯えながら聞いてみた。

{怖い人}「あ?迷子かぁ!?いい年こいて迷子とは
      笑っちまうねぇ」

し、失礼な!僕はこの国に着いたばかりなんだぞ!
だから何にも分からないの!

・・・地図はあるけど(笑

{アルト}「とにかくここは・・・
      って貴方は日本語話せるのですか?」
{怖い人}「おうよ!俺も日本からここに来たばかりで
      何も分からず・・・」
{アルト}「迷ったって訳ですか?」
{怖い人}「・・・おう(泣」

どうやら悪い人ではなさそうだ。
でも、他の人達は?

{アルト}「あの・・・そちらの方は?」
{怖い人}「?・・・ああ、その人相が悪ぃ奴らの事か?」

貴方も悪いですが。

{怖い人}「そいつらは地元の不良みてぇな奴らだ。
      関わんねぇほうがいい」
{アルト}「ずっとこちらを睨んでるようですが・・・」
{怖い人}「・・・逃げるぞ」

僕と怖い人は一斉に逃げ出した。
だけど・・・

{不良A}「おっと、逃がさねぇぞ」

不良に道を塞がれてしまった。
しかも路地裏なので道が狭い。

{怖い人}「くっ・・・何なんだてめぇら!」
{不良A}「ここは俺達のなわばりさ。
      ここに入ったんなら金か身包み置いてけ!」

何だか相手は白熱しているが、
相手は英語なのでこっちには何を言っているのか分からない。
・・・何でこんな事になってるんだろ。
これもみんなチャリオットがはぐれるせいだ!

・・・あれ?そういえばあいつと離れるのは初めてだ。

なんか寂しい・・・それと同時に恐怖感も襲ってくる。

{不良B}「ああ?獲物は三人か・・・こっちは五人、楽勝!」

あれれ?・・・今あいつら「スリー」って言わなかった?
僕達なら二人なのに・・・。

{怖い人}「お前ら双子か?今気付いたんだが・・・
      もう一人居たな」

え?僕が双子!?僕は一人っ子だよ!?

僕は恐る恐る後ろを向いてみた・・・すると!

{???}「ケケッ・・・やっと外界に出られたぜ・・・」

!?ぼ、僕がもう一人!?

{???}「おや・・・?お前が宿主か・・・
      俺は『ANITHER』による幻覚性多重人格現象、
     『NOVA』ノヴァだ」
{アルト}「な、何で僕がもう一人!?」
{ノヴァ}「・・・なるほど、
      病気の事を聞かされてなかったのか。
      ・・・俺はあの憎き『チャオ』という生き物に
      封印されていたんだ!」

封印・・・?
だからチャリオットと離れてはいけなかったのか。

{ノヴァ}「チャオが何のために生み出されたか知っているか?
      この難病、『ANOTHER』を抑える為だ!
      けっしてペットなどと言うものではない!」
{アルト}「ペット!?あいつはペットなんかじゃない!
      あいつは『友達』だ!」
{ノヴァ}「・・・フン。もうそんな事は如何でも良い。   
      俺は気が立ってんだ。
      あの不良どもを痛めつけてやる」
{不良A}「んだぁ?やるかぁ!?」
{ノヴァ}「・・・この醜き生物全てに
      罰を与えるために生まれた我の体よ、
      ・・・今こそその時だ!」

その後、叫び声だけが聞こえた・・・




第三話へつづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第45号
ページ番号
2 / 11
この作品について
タイトル
「ANOTHER」
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
週刊チャオ第44号
最終掲載
週刊チャオ第70号
連載期間
約6ヵ月2日