第一話『上陸』
ここはイギリス、ロンドン。
バッロク建築の建物が立ち並んでおります。
このロンドンが小説の舞台のようです。
おや?空港に日本人の少年が・・・
壁にぶつかったり、人にぶつかったり、
とてもドジな少年のようです。
多分読者の皆様はお分かりでしょう。
この少年がこの小説の主人公でございます。
この少年、実はある難病を患っております。
その病名は「幻覚性精神分割症候群」と申します。
通称「ANOTHER」
彼は三歳の時にこの病気にかかりました。
そしてこの病気の特性のために何故か「チャオ」
という生物と行動を供にしております。
彼は親にこの病気のことを知らされていません。
親はこのロンドンの「リージェントストリート」
にこの病気を治せる医者が居ると聞き、
彼に分からぬようにロンドンへ
「旅行」ということで行かせました。
何故ならこの病気はチャオと一緒にいれば発病しないのです。
この病気は・・・いや
ここでは秘密という事にしておきましょう。
小説の中で分かるでしょうから・・・
では本編をお楽しみください・・・
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第一話「上陸」
僕の名前は『城嶋 アルト』
僕は日本人だけど、半分イギリスの血が流れているんだ。
この横に居る変なのは『チャオ』の『チャリオット』
名前はかっこいいだろ?でもいろいろ口うるさいんだ。
食事の前には手を洗えとか、廊下は走るなとか他にもいろいろ。
でも両親は絶対に『チャリオットと離れてはいけない』って。
何でだろう・・・別にデメリットも何も無いのに。
でもこいつも僕に引っ付くように離れない。
・・・まあいっか。
空港からやっとリージェントストリートに辿り着いたのはいいんだけど・・・
何でこんなに人が居るの!?
ゴチャゴチャしてて何がなんだか・・・
あ、向こうでチャリオットが手を振ってる。
{チャリオット}「早い来いや~!」
あ~あ、注目の的だよ。
チャオってまだこの国では珍しいんだ。
さっきも空港のゲートで引っかかったし・・・
しかも人語話してりゃあ・・・
あ、いつの間にかチャリオットが人に囲まれてる・・・
見えなくなっちゃった・・・
しょうがない、連れてくるか・・・
僕はチャリオットを連れて親に言われた、『僕たちを預かってくれる所』を探した。
しかし地図どおりに歩いても、それらしい場所はない。
{アルト}「ねえ・・・ここどこ?・・・あれ?チャリオットどこ?」
チャリオットとはぐれてしまった。
この見ず知らずの異国で。
もちろん僕はチャリオットを探しに行こうとした。
でも・・・周りには怖い顔の人がいっぱい。
僕は・・・今どこに居るんだろう・・・
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どうも。また会いましたね。
彼はご存知のとおり、ドジでございます。
そして彼の今居る場所は・・・裏通りです。
怖いですねぇ。
見ず知らずの外国で、しかも裏通りで迷うなんて。
とても心配です。
え?・・・いえいえ心配なのは怖い顔の人達ですよ。
何故かって?
それは次の話を読めば分かりますよ・・・
第一話「上陸」完
第二話につづく