-ぱくりだな。ぱくり-

　柴惠羅　「冴美！無事だった？！」

俺が無事に送り届けると、家に柴惠羅姐さんがいた。くそ、あんたのせいで正体がばれたじゃないか。
・・・最も、それが凶と出たか、吉と出たかといえば、吉と出た方だろう。

栃野にだけなら、正体ばれても構わないし・・・ね。・・・ね。

Night of M-A-S-K Sean，8　「もう一人のマスク。その名は・・・」

　月見里　「くれぐれも、他言しないでくれよ・・・頼むから・・・」
　冴美　「うん。分かってるって。」

信用は出来る。けど、ばれたときの事を考えるとなあ・・・
帰り際に、柴惠羅姐さんがウインクしやがった。今日は俺、非番だったのに・・・

　ビギ　「結局、ばれちゃったチャオね。」

そうだな・・・俺は後悔しているのかも分からない。仮面は壊れたし、どうしよう・・・
そんなことを考えていると、ビギが、

　ビギ　「魔術で仮面、直せるチャオよ。」

といった。なんだ、直せるのか。それなら構わないかな。
そんな訳で帰り道。いつもとなんら変わりは無い。

　月見里　「なあ、ビギ・・・」
　ビギ　「どうしたチャオ？」
俺はふと、頭の中にあった疑問を、ビギに打ち明けた。

　月見里　「“A-LIFE”って・・・何なんだ？」

『その答え、俺が応えてやろう！』

空の方から声がする。偉く気取った声だな・・・どこかで聞いたことがある、とだけ言っておこう。
・・・え？その姿を見て、俺は驚いた。それは仕事上の俺で、それは色違いで。

漆黒・・・仮面？・・・違う。俺の変装服は黒だ。あいつのは白。仮面が黒い。（俺は仮面が白。）

正反対・・・？―よくあるパターンだと、あいつが俺のライバルってなるんだよな。あんな奴が。

　ビギ　「誰チャオ？」
　自称　銀白仮面　「銀白仮面、とでも名乗っておく。お前が漆黒仮面だな？」
　月見里　「人違いだ。失せろ。」

正体が皆にばれてたら、「ノリが悪いー」とか、言われてるところだけど、正体がばれてない以上、ばらすつもりはない。
だけど、そいつは俺が“漆黒仮面”という証拠を見せてくれたよ。

　自称　銀白仮面　「これ、なあんだ？」
それは・・・今日の店で、仮面が割れた時のぉ！写真！かかかか、返せえ！

　月見里　「おいおいおいおい！盗撮だろおい！」
　盗撮者　銀白仮面　「ふふふ・・・俺のいうことを聞けば、これは破り捨てよう。」

・・・く、ここは条件をのまないわけにはいかない・・・
そう思って、俺はビギを頭の上から下ろす。出来れば早く終わらせたいものだ。

　銀白仮面　「話の分かるやつだ。俺と勝負しよう。」
　月見里　「ばれるとやばいけど、変装服が直ってないからな・・・ビギ！速攻で終わらせるぞ！」
　ビギ　「りょーかいチャオ！」

だけど、銀白仮面の後ろから、妖獣の気配がした。慌てて俺は飛んでいくビギを止めて、伏せる。
銀白仮面も地面に伏せる。と・・・隣に、小さな変装者がいた。

チャオか？うん。サイズも目分量だと、結構合ってるから・・・チャオだな。

　銀白仮面　「厄介なことになったな、漆黒仮面！」
「硲さ、悠長なこといってるね。」

小さなチャオサイズの銀白仮面補佐官様は、軽い口調でそういった。
硲・・・？変な名前だね、こちらも。“はざま”だってさ。

って、まさか・・・というか、そんな名前の奴は一人しかいない。小武海　硲か！？

　月見里　「って、お前・・・小武海　硲だろ？絶対そうだろ？」
　銀白仮面　「・・・あっちゃ。やっぱりばれたか・・・」

やっぱりばれたか、じゃねーよ。とりあえず、この妖獣を・・・あれ？人間？
と思ったら、ビギが険しい顔つきでそれを睨んでいる。「DOD」か・・・

小武海（こむかい）は、仮面を外して、服の裏に閉まった。こいつは、俺の・・・俺の・・・なんだ？
学校で、頭いいらしい。毎回毎回、テストの順位表には“二位”。知り合い程度だな。

　「漆黒仮面・・・と、無名の戦士か・・・まあ、俺の使命は“A-LIFE”の奪還。悪いけど―」
　小武海　「うるさいぞ。まず、名を名乗れ。なあ？スラ？」
　スラ　「硲・・・相手の名前を聞く前にこっちから言うのが先だよ。」

どうやら、そのチャオは、青い三本角のチャオらしい。三本の角に濃く、青い線が三本ずつ入っている。
腹も濃い青だな・・・こんな風に成長すると、なるものなのか？

　ビリード　「・・・ビリードだ。DOD下級階級指導礼者。使命は―」
　小武海　「俺の名前は小武海　硲あ！相棒はスラン＝ラーセナ＝ミニッツ。現、銀白仮面さ！」
　月見里　「話を最後まで聞かない癖は直ってないみたいだな・・・俺は月見里　焉。宜しく。」

DOD・・・果たして、最初の「ジェルダ」というやつよりも、どのくらい強いのだろうか。
任せたぞ小武海！（お前が戦うんだよ！）

The following are your turns．．．続く