-あの夕日に向かって?-(タイトルと本文は一切関無です)
奴は・・・なんだって?そんなことは今、どうでもいい。
栃野を傷つける奴は俺が粉砕する。それだけで、十分だと思わないか?
黒いマントの男は、どうやら、「Dark of Destiny」・・・という、上級の妖獣貴族だという。
どうでもいいって、言ったろ?俺は命に賭けても、栃野を守ってやるさ。(漆黒仮面だけど)
Night of M-A-S-K!! Sean,4 「やってやるぜ!」
栃野を抱えたまま、男は右手を構えた。俺は背の剣に手をかける・・・が。
信じられないことが起こった。狼たちが・・・どんどん右手に吸収されていく。同時に、右手から発された何かの魔術で、栃野は十字架につるされた。
月見里 「誰だかしんねえけど、そいつを返さないと俺が許さねぇ。」
「誰だか教えてやろうか?」
黒いマントをはぎ、男は姿を見せた。・・・いたって普通の人間・・・?
ビギ 「妖獣の上級は、人間に姿を象るチャオ。こいつは・・・「DOD」の・・・「ジェルダ」チャオか?」
ジェルダ 「物知りだな・・・その語尾は、“A-LIFE”か?それと・・・そちらの人間は・・・」
俺は話を聞く気なんてないので、剣を抜くと、そいつに向かって走っていく。
剣を右三十五度上に振りかざし、一撃、斬り付けた。
予想通り・・・とでもいうかのようなむかつく相手の表情が、空中で太陽に光る。
ジェルダ 「脇が甘い!」
ジェルダとか抜かす妖獣の背に、大きな翼が生え出した。俺は驚いて、一歩引く。
―なんだこいつ―
ビギ 「第五級魔術―“飛河奥天”!」
ひがおうてん?なんだそりゃ?う・・・わああ!
ぶわっと噴出したのは、地面から出る水色の波。ジェルダを包み込むように流れていく。
その波を、右手一つで裂いて、消してしまう奴・・・何者ッスか?
ジェルダ 「その声は・・・ビギン坊、かな?五級魔術を使えるのか。」
ビギ 「うるさいチャオ!僕はもう、そっちの側には関係ないチャオ!」
ジェルダ 「どうかな・・・お前らが人工生命体という事実は、ゆるぎない―」
俺の剣の刃から、黒い波動が飛び散って、ジェルダを追い込む。
座軸確定―ビギの使っている、「座軸指定」、「座軸確定」をすると、ジェルダの後ろに回って、剣を突きつける。
―バカにされたビギと、栃野をさらった罪だ。
月見里 「邪滅剣!」
翼は半分切り裂かれ、空中浮遊という技を失ったジェルダは、地上へまっさかさま。
ジェルダ 「言霊の詠唱失くして・・・ここまでの威力・・・だと?」
月見里 「おらあ!もう一発だ馬鹿野郎!」
上から斬り付け、ジェルダは斜めに光の線の“傷”を負った。
十字架の消え、落ちていく栃野を受け止めると、ジェルダに剣を向ける。
ジェルダ 「久し振りに・・・興味のある奴が出たな・・・」
そういって、ジェルダは姿を消してしまった。畜生・・・止め、させなかったな・・・
とりあえず俺は、栃野を戻しに学校へ戻る。「座軸指定」、「座軸確定」でね。
「・・・私の手伝いは、必要なかったらしいわね・・・」
再び帰り道。もう元の姿に戻ってます。
教室の反応はというと、「・・・・・・・・・・・・」そう、沈黙です。
ビギ 「それにしても、いつの間に、第十級聖術、「瞬添移新」を使えるようになったチャオか?」
月見里 「え?俺は座軸指定と座軸確定をしただけだけど・・・」
ビギ 「バカ。それは魔術チャオ。第八級魔術、「座軸転移」チャオ。」
違いが分からない。俺のもビギのも、全然変わらなかったはずだけど・・・?
そこを考えていると、機械からビギが説明してくれる。
ビギ 「僕が使う「座軸転移」は、あんな瞬間的に出来るものじゃなくて、もっと時間がかかるチャオ。処が焉は、瞬間的に素早く移動したチャオ。」
月見里 「・・・へえ・・・で、どっちがどう凄いの?」
ため息をつかれてしまった。変なこと・・・聞いたかな?
家の前につくと、鍵を開けて、中に入る。
ただいま、なんて言わない。だって一人暮らしだもん。
月見里 「あ。」
パンは焦げていた。焼くんじゃなかった。
ビギ 「焉、これは何チャオ?」
招待状とかかれた封筒を指差すビギ。何だろうな・・・興味を持って、俺はあけてみる。
出てきたのは、「親愛なる月見里焉様へ」と書かれた紙だった。
月見里 「何々・・・「本日、午後六時十五分より、「エベレード会館」にて、パーティが行われます」?・・・俺、何かに応募かなんか・・・あ!」
よく見ると封筒には・・・・・・・・・・・・“四神皇連邦”と書かれていた。なるほど・・・
四神皇連邦は、俺の勤めている漆黒仮面の会社。みたいなもんだ。つまりは、何か重大な任務・・・燃えてきたね。
ビギ 「はあ・・・とりあえず今日の晩飯は取り繕われるチャオね。」
・・・だな。
The following are your turns...続く