第十話

赤チャオ「よーし、次いこっか!」
薄緑チャオ「ええ。」

二匹のチャオは森に向かい歩き出した・・・。

   ファンタジア・チャオ・ファイティング 第十話 合流

場所は変わり、サクラたちの居る森の中。
三匹は、呑気に(と言っても、一応は警戒してるのだが)森の中を散歩していた。

サクラ「ねぇ。」
チョコ「なんですか?」
サクラ「チョコはどうしてこの大会に出ようと思ったの?」

サクラがチョコに問う。
チョコは、明るい笑顔で口を開いた。

チョコ「私の願いは、お・・・」

そう言い掛けた時、目の前の背の高い草が折られ、
二匹のチャオが出てきた。
赤いチャオと、薄緑色のチャオだ。

赤いチャオ「お、こんにちは。」
チョコ「あ、おはようございますー。」

よくある会話が、当たり前のように流れる。
そしてそれぞれのグループは自分の行く道に進む。

ヒツジ「ね、ねぇ・・・。」
サクラ「ん?」
ヒツジ「いまのって敵なんじゃ?」
サクラ「あ・・・。」

確かにそうだ。
コレはサバイバルなのだから、他のチームは皆敵だ。

チョコ「いいじゃないですか。悪い人じゃ無さそうだったし・・・。」
サクラ「それもそうね。」
ヒツジ「確かにそうなんですけど・・・。」

このチームは一体やる気があるのだろうか?
もしこの場にナイトが居合わせたら容赦なく襲っていただろうに・・・。
チョコの人柄では、サバイバルをある意味楽しんでいるようにも思えてしまう。

サクラ「そういえばさ、この大会ってどう思う?」
ヒツジ「どうって?」
サクラ「だって、優勝者の願いを叶えるなんてうさんくさいと思わない?」

確かにそうなのだが、サクラとて鼻から信じてないわけでもない。

チョコ「じゃぁ何で参加したんですか?」
サクラ「う・・・痛いとこ突くわね。」
ヒツジ「ははは・・・。」

ヒツジが、笑みを浮かべる。
全く、敵がすぐ近くに潜んでいるかもしれないのに呑気なものだ。
そうこうしているうちに、三匹は大広場に出た。

ヒツジ「あ、あれ!」

ヒツジが向こうで戦っているチャオを指差す。
そう。そいつはナイトだった。
一人で、四人と戦ってるようだが、そのそぶりはいかにも余裕と言った感じだった。

サクラ「あ、ナイトだ。」
チョコ「戦ってるみたいですね。」
ヒツジ「どうする?加勢する?」
サクラ「別にいいんじゃない?余裕そうだし。後ろで見てよっか。」

三匹はナイトの少し後ろの辺に行った。
始め三匹は、ナイトはまぁ強いぐらいだと思ってみていたのだったが。
その戦いの最後は、唖然とするものだった。
まさか、これほど強いとは思ってなかったのだろう。

戦いが終わりナイトが後ろに居た三匹に気付く。
そして、三匹の元まで歩いて行き、こう言った。

ナイト「遅かったな。サバイバルはこれから半ばに入る。
      貴様ら三匹じゃ危ないからな。俺も貴様らと同行する。」

・・・続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第96号
ページ番号
12 / 27
この作品について
タイトル
ファンタジア・チャオ・ファイティング
作者
りんご
初回掲載
週刊チャオ第86号
最終掲載
週刊チャオ第131号
連載期間
約10ヵ月12日