第3話−親父達−

CHAO IN SPACE 第3話−親父達−

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レオンが気がつくと。そこは見た事も無い場所だった。
金属物に囲まれた空間。そう言うのが正しいのだろうか。
まだ、アイツのスプレーのせいで頭が少し痛い・・・・
「ちくしょう、次会ったらようしゃしねーぞ・・・・」
誰も聞いていないのに独りつぶやくレオン。
「大体ここはどこなんだよ~。」
「教えてやろうか?」
「・・・!?」
奥の暗い通路からアイツの声が聞こえる。
「どこを見ている?」
かと思うと今度は隣の壁から、
レオンは武器をかまえようとするが何も持っていない。
「どうした?かかってこないのか?」
「姿も見せない憶病者に言われたく無いね。」
レオンは冷たく言う。
(アイツが姿を見せた時にオレのパンチを叩き込んでやる!!)
「フン、憶病者はどっちか・・・・・」
また違うとこからの声。
「負ける勝負はしないと言うのか?」
「どうした?かかってこないのか?」
「どこを見ている?」
「どうした?かかってこないのか?」
「負ける勝負はしないと言うのか?」
「どこを見ている?」
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「どうした?おい?」
「ん・・・」
誰かの声に起こされる。
「おお、気づいたか。」
それは親父と一緒に働いているリュウさんだった。
なんでも昔は凄腕の剣士と一緒に世界を救う旅に出たらしいが、
その事は全然話してくれない。
「リュウさん・・・なんでこんなところに・・・・」
「それはこっちのセリフだよ。」
リュウさんはオレを抱えて小屋まで走る。

そして小屋のストーブの隣にオレを降ろしてくれる。
「あっち~!!」
「ああ、ゴメンゴメン。強のままだった。」
リュウさんは熱いのが好きだ。
レオンは飛び退き、その隣の椅子に座る。
「で、なんでお前はあんな所に倒れてたんだよ。」
リュウも椅子に座り、熱いココアをすする。
「じつは・・・・」
レオンはさっきのことを話す。
リュウはそれをひたすら聞き続ける。
そして・・・話が終わる。

そして、リュウが口を開く。
「最後の件だが・・・・」
「うん。」
「オレとしては中止したく無いのだが、
 お前がそれで狙われるならオレは・・・・・」
「いや、大丈夫だよ!!」
「ならいいけど・・・・」
ガチャ
「お!!レオン!!きてたのか!!」
「あ!!父さん!!」
「ガウス!!」
ガウスも隣の椅子に座る。
「父さん。これ、さしいれ。」
レオンが酒をわたすとガウスは嬉しそうに、
「ありがとな」とだけ言った。
「ガウス・・・・」
「なんだリュウ?」
「話があるんだが・・・・」
リュウは先程のレオンの話をていねいにガウスに伝えた。
もちろん。最後の部分はぬかして、だ。
ガウスが煙草に火をつけ、
マスクをつけているので数倍くぐもった声で言う。
「マスクをつけてないと言うのが気になるな・・・・」
「オレもだ。その仮面に
 空気の浄化作用があると言うのなら別だが・・・・」
ちらりとレオンを見てからリュウが続ける。
「まあ、目撃者に聞いた方が早いな。」
「そうだな、レオン。どうだった?」
「う~ん・・・・」
レオンはあまり思い出したくないが、アイツの仮面を思い出す。
「口の所には何もないように見えたけど・・・・」
「そうか・・・」
わからんという風に首をすくめながらリュウが言う。
「ったく・・・そいつは人騒がせなやつだな。
 なんか恨みでもあんのか?
 何も要求してないからわからねぇが。」
レオンとリュウは
ドキッと言う擬音が聞こえそうなくらいあたふたとする。
「ん?リュウどうした?」
「い、いや・・・・あ、そうだ!!
 レオン君ガーデンに送ってってやるよ!!」
「あ、うん!!」
そういって2人は小屋を出る。
「ったく・・・あいつらなんなんだよ?」
あとに残ったのは不満だらけのガウスだけだった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第99号
ページ番号
4 / 9
この作品について
タイトル
CHAO IN SPACE
作者
玻璃潛覧
初回掲載
週刊チャオ第92号(兼、300P記念) 
最終掲載
週刊チャオ第104号
連載期間
約2ヵ月26日