第2話−亡霊(ゴースト)?(後編)−
CHAO IN SPACE 第2話−亡霊(ゴースト)?(後編)−
コツ、コツ。
足音で我にかえる。
気がつくと前に一匹のチャオがいた。
体は青く全身を黒い衣服に包んだチャオ。
肩に大剣を背負っている。
顔は奇妙な大きな傷のある黒い仮面をつけていて見えない。
しばらく前にガーデンの長が言っていたが、
仮面をつけるのには3つ程の理由があるらしい。
1つは顔を相手に見られているから隠すため。
もう1つは顔に怪我をしているから隠すため。
最後は趣味。
1の理由はないだろう。先程の推理で分かっている。
つまり2、3の理由だと言う事だ。
「呼ばれたら返事ぐらいしたらどうだ」
黒い衣服のチャオが言う。
今になって気づいたが、このチャオはマスクをしていない・・・・
マスクがなければ外に出れないのに・・・・
「貴様、聞いているのか?」
少し怒ったような声で相手が聞いてくる。
(やばい・・・相手は武器を持っているんだ
怒らせると危険だ・・・
かといって逃げれるかも分らないしどうすれば・・・・)
「・・・」
相手は返答をまっているようだ。
(一か八かだ・・・・)
「聞いてるよ。あまりに突然だったんで話せなかっただけさ。」
相手は鼻をフンッとならせて、
「ならいい。」と答えた。
(話をして和んでる間に
逃げるしかないそれ以外にないんだ・・・)
「どうした?」
相手のチャオが聞いてくる。
「先程から何かを考えているようだが・・・
まさか貴様、逃げようとしてるのではあるまいな?」
(やばい!!)
とっさにレオンは逃げ出し、小屋に向かって走り去った。
しかし、最初に走りすぎて疲れてたのか、
相手のチャオが早くて追い付いたのか、
レオンは捕まっていた。
「そこまで行動の読めるやつとは
思ってもいなかった・・・貴様には毎回驚かされるよ・・・」
(毎回?)
レオンは耳を疑う。
だがその様子を気にもしない様子で相手は言う。
「よく聞け。一度しか言わない。
そこの小屋の中で作業をしているやつらに、
作業を即刻中止するように言え。
いや、言うだけでは足りない。
何としても中止させるんだ。
出来なかった場合は・・・・・」
ヒュオウ!!
大剣をいとも簡単に振り回す。
「わかったな!!」
そういってベルトから大きなスプレー缶を取り出し、
レオンに向かって吹き付ける・・・・
薄れ行く意識の中で最後にレオンは・・・・
そいつの笑い声を聞き続けた・・・・。
つづく