Z軸 

僕よりも後に生まれたはずなのに

僕よりも高く飛ぶことが出来るんだね

前まで君のことを雑魚だなんて言っているうちに

君は僕の遙か上に達していた

小さいときは谷も飛び越えられない君を笑って

今では15秒でゴールできない僕を君は笑う

飼い主は

君を気に入ってしまった

僕はいらない

前まで君のことを雑魚だなんて言っているうちに

君は僕の遙か上に達していた

君は僕よりも後に生まれたはずなのに



ある時に僕は生まれ変わった

君は強いままだった

黄色く光るそのぽよも

僕の遙か上を行く太陽に重なって

どうすれば時が戻る?

小さい僕は君の透き通る白と青に見入って

そこに入り込むカクテル光線に酔いつぶれて

結局君を超えられないと気付いた

悔しい・・・悔しい?

小さい僕は君の透き通る白と青に見入って

そこに入り込むカクテル光線に酔いつぶれて

黄色く光るそのぽよも

僕の遙か上を行く太陽に重なって



知らない土地で僕は生かされるだろうか

こんなちっぽけなプライドしか持っていない

町裏の片隅で小刻みに震えているこの僕を

遙か上のビルの隙間が嘲って

・・・でも

君に超えられたことも恐くなくなって

もう戻れないんだと確信して

やっぱり、この道をもう暫く歩いてみよう

君にはない僕を僕は探してみよう

永遠にのびるZ軸は一つだけではないと信じて

この作品について
タイトル
Z軸 
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第213号