防御

魔法から自身を守るにはどうしたらいいだろうか。
魔法を使用する者を知覚すれば魔法にかかってしまう。
ならば知覚しなければいい。
この考え方が魔法に対抗する方法の基本となる。

まず、実際に知覚しないように行動することだ。
これは魔法を使用できない者でも魔法から身を守ることができる手段だ。
なるべく視界に入れないこと。
なるべく離れること。
そうすることで魔法の影響は少なくなっていく。
影響が少なくなればそれだけ洗脳などにも気付ける可能性が上がるのだ。

自身に魔法をかけることによって防ぐ方法もある。
自分が感じている情報を自分で捏造するのだ。
本来ならば見えているはずの相手を見ていないことにする。
触れているはずの手を触れていないことにする。
情報のシャットアウトだ。
欠点はそれが自身の捏造した感覚であることだ。
銃で撃たれたところでそれを感じることもない。
あるいは、そのような危険が迫っていても知覚できない。
対処しなければならないことに対処できなくなるのだ。
ゆえに自身への魔法は必要最低限でないと不都合なのだ。

魔法の攻撃を防ぐことを重視すると単純な攻撃に弱くなる。
自身の魔法によって身を守る際はその欠点が顕著に現れる。
単純に相手の姿を見ないようにする行為も危険である。
うまくバランスを取らなければならない。
偽の情報を植えつけられても少ない情報量であればそれが魔法によるものだと気付けるくらいの耐性は必要だ。
慣れや知識や心構えによって築きあげなければならない。
それができていない者は実戦において弱者となり食われるのみだ。

このページについて
掲載日
2010年7月16日
ページ番号
9 / 16
この作品について
タイトル
絶望
作者
スマッシュ
初回掲載
2010年7月16日