~第五十二話~
満月がソニー達を見守っていた。
そう見えただけかもしれない。ソニーは月を見て思っていた。
いつの間にか火を灯して、囲むようにみんなで座った。
そして八人で・・・・・・・・もっとも弾んだ会話が始まったんだ。
それは最初であり・・・・・最後でもあった。
会話はやがて昔話へとなった。
ソニー「で、俺達が山に行ったのはテルがカオスチャオを見かけた・・・ってことからだったよな?」
テル「そうだよ。それがエリだったかどうかは分かんないけど。」
エリ「私はあの山の中に逃げ込んでいたからな。・・・・・夜に襲撃されて山の頂上に逃げたところにソニーがいた。
テルが見てなかったらエリと会うことはなかっただろう。
ナックー「そいで俺が追っ手をフルボッコにしてやったぜ!」
ソニー「それよりも俺は、シャーがお前を勘違いさせて殴りかかってきてのは覚えてるがな。」
シャー「僕がそんなことするわけないだろう。」
と自信ありげに言う。
こいつ・・・・・ソニーとシャーはそう思った。
テル「その時にシャルにあったんだよね・・・・・。」
ナックー「あぁ、喧嘩を止められた。」
ソニー「止めて欲しくなかったのかよ・・・。」
ソニーが呆れたように言う。
シャー「そしてその後エリに会って、確かシャルと<チャオティックルーイン>で合流してさらわれた妹、ユリカを助けに<迷いの森>に行ったんだな。」
ナックー「・・・・・あ。分かったぜ・・・。」
ナックーは突然思い出したように言う。
ユリカ「なにがですか?私が実はさらわれていなかったことですか?」
ロミー「いや、さすがにそれは知ってるわよ。」
とロミーは突っ込む。
ナックー「あの時シャルがエリに怒鳴ったことだよ。」
ユリカ「お兄ちゃんがですか?」
ナックー「あぁ・・・・・。」
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シャル「おい。こいつが例のカオスか?」
ソニー「あぁ。エリっていうんだ。」
シャル「・・・・・した・・・・。」
ナックー「ん?どうしたんだ?」
シャル「・・・何でもない。」
エリ「初めまして、エリと言う。」
シャル「何でもない!!!」
エリ「ひっ・・・・・。」
シャー「おいシャル!落ち着け、どうした?」
シャル「!あ、あぁ・・・大丈夫だ・・・。」
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ソニー「あぁ、あの時か。」
あの時エリを見ていきなり怒鳴ったこと。ナックーはその時の事を思い出していた。
ナックー「あいつ、カオスチャオで嫌な過去をもっていたからだったのか・・・。」
アクデゼに兄を殺されたシャルは、カオスチャオに敵対心をいだいていたのだろう。
ミユキ「それよりも、1年以上前のことを覚えているナックーに驚いたよ。」
ナックー「なんだとこらッ!!」
ミユキ「わっはー。」
そう言いながら、ミユキはナックーと一緒に鬼ごっこをし始めた。
一人の方は本気みたいだが。
ユリカ「それから、お兄ちゃんが死んでしまったんですよね・・・。」
ソニー「あぁ・・・・・その眼鏡大事にしろよ。」
ユリカ「はい。」
眼鏡はチャオにとって高価な物であった。
それをくれた兄は、お金を大量に稼いでやっとの想いでかったのだろう。
それは、本当はいつに渡したかったのか分からないが、あのような形で渡してもらうとなると、とてつもない大切なものなんだろう。
シャー「ところで、何故目が悪くなったんだ?」
ユリカ「あ、本を読むのがすきで読んでいたらしだいに目が悪く・・・・・。」
ソニー「あー、そういうことか。」
ソニーが納得したら、後ろで叫び声が聞こえた。
ミユキがナックーに捕まったらしい。
騒がしい奴らだ・・・・・。