~第三十七話~

ソニーは黙ったままうつむいていた。
シャー達は、ソニーに気をつかってこのろうやから脱出する方法考えることにした。

ナックー「幻闘術で破壊できないのかこのオリ?」

ナックーはテルに聞いてみたが、

テル「ここは幻闘術が使えないようだよ。何らかの結界が張られているようだから。」

実際にナックーが使ってみるが、本当に使えなかった。

ナックー「ちょっと待て。結界ってなんだ?」
テル「良く分かんないけど、多分人間がつくったということは分かるね。」
ナックー「人間がつくった!?」

テルは一回考え込むと、静かに口を開いた。


テル「もしかしたら・・・・・ここはチャオの森ではないのかもしれないよ。」

シャー「・・・チャオの森ではない?」


テルは一回うなずいてから続ける

テル「だって、チャオの森に人間が作った人工物なんて聞いたことないよ。」

そう言うと、テルは腰のポッケから何か取り出した。
サイコロみたいな形をした物だった。

ナックー「なんだそれ?」

テルはサイコロの端にあるスイッチみたいなのを押すと、みるみるうちにパソコンに変化した。
そして、牢屋の端にあった穴に、コードを繋げて何かし始めた。

ナックー「どういう構造だよそれ・・・・・。」
テル「ここの牢屋、コンピュータで制御されてるからハッキングしてみるね。でも、なんで繋ぐ場所があったんだろ・・・管理わりいなここ・・・。」
ナックー「おいテル!言葉がなんかやばいぞ!どうしたんだ!?」

そんな会話をしているナックーをよそにも、ロミー達は別々で会話していた。

ユリカ「エリさん大丈夫でしょうか・・・。」
ロミー「・・・・・大丈夫よ。きっと。」

ミユキ「・・・・・・・。」


ミユキは牢屋の隅でごにょごにょしていた。
そこにロミーが近づく。

ロミー「どうしたのミユキ?」
ミユキ「DSしてるー。」

見ると、二つのスクリーンがそこにあった。


ロミー「あんた、一発殴っていい?」
ミユキ「暴力は勘弁!!」
ロミー「うるさい。」


そんな明るい会話の中、ソニーは一人で考えていた。


自分がエリを殺す・・・・・・・


そんなこと考えたこともなかったから・・・・・



シャーは考えていた。
どうすればソニーは立ち直れるか、なんといえばよいのか。


ソニーは元々精神の小さい奴だ。
このままだと、どうなってしまうかも分からない。



その時、ガシャン・・・と音がした


テル「扉が開いたよ!」

そして、ソニーが立ち上がった。

ソニー「みんな・・・・・行こう。とにかくエリを助け出すことが先決だ。」

そしてソニーが先頭で歩いて牢屋から出て行った。


ミユキ「ソニー成長したねー。」

ミユキがそういったが、


ナックー「いや・・・・・・あいつのあの顔はそんなんじゃなかったぜ。」



ナックーの見たソニーの顔は・・・・・とても悲しそうな顔をしていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第313号
ページ番号
44 / 87
この作品について
タイトル
夜空のエメラルド
作者
斬守(スーさん,斬首,キョーバ)
初回掲載
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
最終掲載
週刊チャオ第330号
連載期間
約1年2ヵ月13日