★第2章★*13話*

【な…なんだ、その剣は!!】

【チ…こしゃくなマネを!!】

アークリンア、ラッキーに握られた光の剣を見たチャピルとチャペルは

剣をまじまじと興味深そうに見つめ、微かに後ずさりをした。

【これは…?】

ラッキーが手に握られた剣と自分の手を見つめながら言った。

【…僕達の気持ちの塊かもしれません。】

アークリンアが少し考えて言った。

【塊?】

ラッキーが聞き返した。

【はい。僕、昔祖父に聞いたことがあります。光の剣の伝説を。
 それは、誰かを助けたい、誰かを大切に思う気持ちでしか生まれない
 特別な剣だそうです。それは、淡い7色の虹色をしているそうです。
 ですが、それはその気持ちが少しでも弱まると消えてしまいます。
 悪の心を消滅させるチカラも持っているそうです。】

【ほ、本当なのか!?】

ラッキーが言った。

【はい、恐らく…。】

アークリンアが1度言葉を切った。

【この剣は、伝説の剣【ルクス】です。】

【フ…フハハハハハ…!!アーッハッハッハ!!】

チャピルとチャペルがそれを聞いて爆笑した。

【冗談も休み休みいえ、タコ!!そんなんがルクスなハズねーだろ!
ルクスを手に入れるのは俺達だ!!てめーら何かの手に渡るハズねぇ!】

2人が同時に言った。

【・・仏の顔は3度までって言葉、知ってるか?俺達も愛想がつきたな、
 そろそろ地獄の世界へ送ってあげよう!!ヒャーッハッハッハ!!】

チャピルとチャペルが高笑いをした。

そして2匹に向かって剣を立てておろして来た。

2匹も剣を構えた。

ギィィ―――――…ン!!!!

原生林全体に剣の音が響き渡った。

パキ…。

チャピルとチャペルの剣が砕けた。

【な、な、…】

驚きで声が出ない。

【終わりだ、チャピル。】

アークリンアが言った。

【地獄はどっちが見るかわかっただろう、チャペル?】

ラッキーも続けて言う。

ドカァッ。

【ぐぁぁぁぁ…っあぁぁあ!!!】

【ぐ・・フ…。俺…達、はダークネス・・、チャ…オ、】

とチャペル。

【俺・・達全…員、倒さ…ない限り、この世界…の、闇、が無くなること
は…、な、い、だ、ろ、う】

とチャピル。

そう2匹が言うと、光と共に静かに消滅していった。

森に静けさが戻った。

【おい!アークリンア、ラッキー!!】

チャキが急に叫んだ。

アークリンアとラッキーはすぐさま2匹のところへ駆け寄った。

ハッピーが嬉し涙を目に浮かべながら、あごで示した。

【あっこさんの傷が…ふさがっていく…。】

アークリンアが言った。

森が、自然全体が、あっこを救ってくれたのだった。

この森に、光が戻った瞬間だったのだった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第171号
ページ番号
13 / 13
この作品について
タイトル
優しい飼い主求めて。
作者
あっこ
初回掲載
週刊チャオ第160号
最終掲載
週刊チャオ第171号
連載期間
約2ヵ月19日