usuallside~その1・始まりの物語~

「ネイトー、チャイルー、ちょっと来てー!」
 一匹のチャオが、小高い丘を登っていく。青いナイツチャオだ。丘の上には、二匹のチャオがいた。二匹は、黄色いヒーロー・オヨギ、オヨギ二次のチャオと、赤いシャドウチャオだ。そのチャオに気がつくと大きく手を振った。そして、
「どーしたの?ユージャル。何かあったの?」
 そういって黄色いチャオが、登ってくるチャオに近づいていく。もう一匹があわてて追いかける。
「ネイト、ちょっと、置いていくなよ」
 ネイトと呼ばれたチャオは振り返った。
「私は置いていくほど早く動いてないと思うんだけど」
「細かいことは気にすんなって」
 青いチャオが二匹のところへたどり着いた。
「村に旅人が来たんだ。しかも、変なんだ。三人共黒いマントをかぶって顔を隠しているんだ」
 その時、青いチャオが来た方向から、大きな音がした。三匹が一斉にその方向を向く。
「何?今の音・・・・あんな音聞いたの始めてだ・・・・ユージャルは?」
 ユージャルと呼ばれたチャオは、少し考えていった。
「うーん・・・・・僕も初めてだと思う」
「私も初めて聞いた。・・・村の様子、見に行く?」
 ネイトと呼ばれていたチャオが聞かれていないのにいったとき、村の方向から、何か黒いものが飛んできた。
「こんな所にまだガキがいたか・・・・」
 それは黒いマントをかぶっていた。ユージャルがいっていた変なチャオ、ネイトとチャイルはそう思った。そして、
「なんなんだお前は!」
 チャイルは、それに向かって叫んだ。
 それはふっと笑った。そして、隣二体来た。その内の一体が言う。
「私達のことですか?私達は『escaper』だ。おや?そのチャオは・・・・」
「遅いぞ、キルクル、ギル。あんな村一つでそんなに時間がかかるのか?」
「今キルは『タイム』なのだ。それにお前は『スペース』、ギルは『ダーク』なのだ。忘れたわけではないはずなのだ」
「そうだったな。しかしお前は自分でキルと言っているではないか」
「細かいことは気にするななのだそんなことを言っていると大人になれないゾなのだ」
「おい、それは禁句だ。それに、あいつらもやるんだから関係ないだろう?」
「貴方達、空気が読めていますか?よけいなおしゃべりは無用です。それに・・・」
 黒いマントをかぶっている者達の内、ギル、あるいは『ダーク』と呼ばれていた者が、ネイトを指さした。彼の手はドラゴンのようだった。
「あれは『光を統べる者』だ」
「なるほど、な。で、横の二体はどうする?おまけとして連れて行くか?」
「無理だろ、なのだ。『スペース』は三体までしか同時に送れないだろう?なのだ。『ダーク』はアイツを設置しなきゃいけないから抜くとして一体だけなのだ」
「お前が残ればいいだろう?違うか?」
「いいえ、二体は残しておきましょう。少し私に考えがあります。それは基地に戻ってから話すとして、・・・受け取りなさい」
 『ダーク』はそういうと目にもとまらぬスピードでネイトの前に移動し、『スペース』の所に投げた。さらに、ユージャルとチャイルの首の辺りをつかむと、村の方へ投げた。ユージャルとチャイルは、ものすごい風圧で気を失った。

………………
モノガタリハハジマッタバカリダ

このページについて
掲載号
週刊チャオ第127号
ページ番号
1 / 14
この作品について
タイトル
usuallydays
作者
バロン
初回掲載
週刊チャオ第127号
最終掲載
週刊チャオ第131号
連載期間
約29日