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チャオは、毎日毎日チャオレースに参加します。
頭上に浮かぶポヨを揺らして、毎日毎日走り続けます。
…
…
ある日のことです。
ポカポカ陽気のチャオガーデンで、のんびり仰向けになって日向ぼっこをしていたチャオがいました。
うとうとと眠りかけていたそのチャオに、ある来客が訪れました。
「今日は」
澄み渡る青い空を、のんびり眺めていたチャオは、突然顔を覗き込まれたので少し驚きました。
すぐに立ち上がって、来客を見据えて、言いました。
「チャオ…君は誰チャオ?」
来客は答えました。
「今日は、チャオ君。ボクはユニコーンだ」
~Unicorn Runner~
「今日は、チャオ君。ボクはユニコーンだ」
「ユニコーン?お馬さんチャオ?
「馬とは、ちょっと違うけれどね。よかったら、キミの名前を教えてくれないかい」
「チャオ!チャオの名前は……――」
…
「――……へぇ。いい名前だね」
「チャオ!君の名前は、なんて言うチャオ?」
「ボク?ボクには、名前はないよ。…そうだ!よかったら、キミがボクに名前をつけてくれないか?」
「チャオ?チャオが名前をつけるチャオか?」
「うん。いい名前、付けてくれないか?」
「チャオ~、ちょっと待つチャオ…。うーん…。わかったチャオ!ユニコーンだから、ユー君チャオ!」
「ユー君かぁ。うん、ありがとう。とってもいい名前だ。気に入ったよ」
「チャオ~!よかったチャオ~!」
…
「ユー君は、今日はどうしてココに来たチャオ?」
「ボクがココに来たのには、特に理由はないよ」
「チャオ?」
「ボクは、走るのが大好きなんだ。そして、世界のいろんな場所を見て回るのも大好きだ。ココには、偶然辿りついたんだ」
「チャオ~、凄いチャオ~」
「キミは、走るのは好きかい?」
「チャオ~…。好きだけど、チャオは走るのが遅いから、いつもかけっこではびりっけつチャオ~…」
「そうなんだ…。でも、走るのは好きなんだろう?」
「チャオ~、走るのは好きチャオ~」
「そっか。よかった、安心したよ」
「チャオ?」
「ううん、こっちの話。それより、どうだい、ボクと一緒にかけっこしないか?」
「チャオ!いいチャオよ!」
「よーし、じゃあよーいドン!だ!」
「あっ、ずるいチャオ~!」
…
「はぁ、はぁ。疲れたチャオ~。ユー君、とっても速いチャオ~」
「あははっ。言っただろう、ボクは走るのが大好きなんだ。それに、とっても速いんだよ」
「速いとは言ってなかったチャオ~!」
「あははっ。――もうすっかり日が落ちちゃったね」
「チャオ。ユー君、明日も一緒に遊べるチャオ?」
「うん、明日も一緒に遊べるよ」
「じゃあ、明日も一緒にかけっこするチャオ!」
「オーケー、明日も一緒にかけっこだ!」
…
それからチャオは、次の日も、そのまた次の日も、さらにそのまた次の日も、ユニコーンと一緒に過ごしました。
一緒にかけっこをして遊んだり、ユニコーンが今まで見て回ってきたことを話したり、チャオが幼稚園での出来事などを話したりしました。
そして――
…