■ 前半 ■ (2)

人に見られたくない人もいれば、自然と人に見られてしまうチャオもいます。
「うおおぉぉぉぉぉぉ!!」
それがこの叫びながら行動するチャオ。人々からは「かいろ君」というあだ名で呼ばれています。
彼は、チャオはチャオでもオモチャオなのですが、一般的にオモチャオは仕事内容の面などから性格は多少ユニークさがでるくらいに設定されているはずなのです。
しかし、彼はなぜだか熱血なのです。やることなすこと全てを気合で片付けてしまいます。
そんな珍しさから、彼はステーションスクエアの人気者になりました。
そして、今日も人々のために気合で働く…はずだったのですが。
「さささ、さむいぞおおぉぉぉっ!?どういうことだああああ!」
彼の気合では解決できない問題がありました。
それは、彼の動作保証温度が5度から35度までだったということです。
ステーションスクエアの12月は氷点下を下回る日もあるくらいですから、今まで何ともなかったことが不思議なほどでした。
「し、死ぬうううう!暖かい場所はないのかああああ!?」
彼は今日も叫びながら飛び回ります。今日はいつもと違った目的を持って。

心が熱いチャオもいれば、逆に冷え切ってしまったチャオもいます。
「くそう・・・。なぜだ、なぜなんだ・・・」
彼の名前はニウス。彼はとても優秀なチャオでした。
教えられたことはすぐにできるようになりましたし、教えられなくても色々なことができました。
しかし、ある日のことです。彼のご主人様は真っ黒でぴかぴかしているチャオの卵を買ってきました。
そして、「お前はもういらないから」と言って、捨てられてしまったのです。
彼のご主人様にとっては彼より珍しい色のチャオのほうが重要だったのです。
「なんで、僕がクソ共と同じ生活をしなくちゃいけないんだ・・・!」
彼は野良チャオが嫌いでした。いつからか、彼は野良チャオが嫌いになっていたのです。
しかし、ご主人様がいなくても生きることができる方法を知っている彼らと一緒に過ごさなければ生きていけなかったのです。
彼はそんな苦痛に耐えながら、飾りが増えていく街を見ていました。

不幸そうなチャオもいれば、幸せそうなチャオもいます。
「~♪」
ステーションスクエアのホテルの中にあるチャオガーデン。
そこには小さなクリスマスツリーをいつも抱えているコドモチャオがいます。
いつでもそのツリーと一緒。ご飯を食べる時も寝る時もツリーをそばに置いています。
彼はその様子からわかるように、クリスマスをとても楽しみにしているのです。
「サンタさんに何をもらうんだい?」
チャオが好きなことで一部の人に知られている、ホテルの支配人がチャオに聞きます。
そのチャオは笑顔で答えます。
「雪!」
「雪?」
「雪を見てみたいから、サンタさんにもってきてもらうチャオ!」
ホテルの支配人は不思議に思いましたが、すぐにわかりました。
チャオガーデンは室内。そう、ここに雪は降らないのです。
「そうかあ、持ってきてもらえるといいね」
「うん!」

何かを願うチャオがいれば、自分の願いを叶えようとする人もいます。
バイクで旅をしている人とチャオのペアもそうでした。
そのチャオはステーションスクエアを眺めながら言います。
「なつかしいチャオねー。あれからもう1年経っちゃうチャオ」
彼の名前はフレイ。1歳の、オトナになりたてのチャオです。
「やっぱ、ここに戻ってきたっていうことはそういうことチャオね?」
彼の問いかけに、飼い主の人は頷きます。
彼は、チャオにも関わらず結構賢いのです。おそらく、普段から旅で色々なことに遭遇していることもそうなった理由の一つでしょう。
バイクを停めて、彼らは歩き出しました。自分達の目的のために。

色々な人がいて、色々なチャオがいて。
色々なことを起こしながら、ステーションスクエアの時間は進んでいきます。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第249号&チャオ生誕8周年記念号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
続き、つくっチャオ!(2008年聖誕祭)
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第249号&チャオ生誕8周年記念号