第5章 おサムライにはご用心!?1
さか・・・あの危ない剣士がリンネさんの仲間とは思わなかった。
とにかくあの時リンネさんが止めてくれなかったらと思うと・・・
またちびりそうになる。
いや・・・ちびってはいないけどさ。
リンネ「本当にすみません、大丈夫ですか・・・?」
ミディ「かすり傷程度だから大丈夫。」
それを聞いて安心したのか胸をなでおろしていた。
よく見たらリンネさんって表情豊かだよな・・・
不安そうな顔ばっかりしていると思ってたけどこんな顔もできるんだ~
シェア「な~にジロジロ見てんのよ」
背後から殺意の篭った声が聞こえる。
振り返るまでもなくシェアだとわかる。
でも振り返ってはいけない!すればとんでもない事が・・・・
とりあえず言われた通りリンネさんの方から窓の方に視線を移す。
「あの娘・・・般若の形相だな・・・」
とあの剣士が言葉を添えていた。
と言った直後にリンネさんから小声で突っ込みを受けている。
俺もパラディも知らないので小声で聞いてみる
ミディ「般若って何・・・・?」
という問いに彼女は荷物をいじり始めた
そしてテーブルの上に不気味な仮面を取り出すと同時に衝撃が走った。
ミディ「こ・・・これが・・・」
パラディ「はんにゃ・・・」
二人同時に後ろを振り返る。
テーブルの上の妖しい仮面と背後に立つシェア。
―に・・・似てる、気配とか特に。
額に冷た~い汗が浮き出てきそう、熱くないのに・・・
リンネ「謝りなさい」
はっきりとあの剣士に向かって言う。
しかし肝心の剣士は謝罪の言葉を放ちそうにない
リンネ「もぉ~!ちゃんと言いなさい・・・」
「おい・・・・俺の名を呼ぶな・・・・」
それどころか・・・名前すら教えてくれそうにない。
「それよりもリンネ、また外の連中と関わっているのか?」
リンネ「それは・・・」
反論できずにただ口を塞いでしまうリンネさん。
周りを気にしながら俯いてしまった・・・まぁ無理もない。
そっちの事情も少しはわかってるしな・・・
シェア「あのねぇ!私達をそんな奴等と一緒にしないでよ」
レア「そ~だよ、あなた達と私達は敵じゃあないよ!」
「味方でもないがな」
周囲に張り詰めた空気が流れる。
それだけを言い残しその剣士は外へと出て行ってしまった。
そしてそれを追うようにリンネさんも飛び出していった。
俺達に何度も頭を下げて・・・
それから全くといっていいほど会話は進まなかった。
喉に何かが詰まったような違和感。
話し出したくても躊躇してしまう。
あの二人はこの家にいないとわかっていててもためらう事を止めなかった。
シェア「本当に・・・どうしたらいいかわかんなくなってきた・・・」
パラディ「そうだよね・・・」
一度にたくさんの事が起こった為、頭の整理が付かない。
さっきからシェアが手持ちのメモ帳に走り書きでまとめているがそれがそのまま納得できるものになるかは別。
本当にどうしてこんなことに巻き込まれたのかわからない・・・
ミディ「ちょっと外の空気吸ってくるよ・・・」
玄関までの数歩の距離が異様に長く感じた。