第23話「チャッチャオ登場!」後編
横から攻撃すればいいんだ!
チャッカル「゛ライトウィング〝!」
僕は勢い良く手を交差した。
すると二つのかまいたちが現われ、チャッチャオに襲い掛かった。
チャッチャオ「ぐっ・・・。」
左右から来るかまいたちを避け切れなかったチャッチャオは、かまいたちの餌食にされていった。
チャッチャオ「くっ!」
ライトウィングをまともに受けて、体がぼろぼろになったチャッチャオは、膝をついた。
ちょ、ちょっとやりすぎたかな?なーんて・・・。
でも・・・、チャッチャオって名前・・・なんだか懐かしいような気がするんだ・・・。
チャッチャオは・・もう動けないみたい・・・。
チャッチャオ「はぁ・・・、お前を甘く見ていたようだな・・。・・・さあ、殺れよチャッカル!」
チャッカル「・・・・いやだ・・・。」
チャッチャオ「なっ・・・。」
・・・・。
チャッカル「敵だから、倒さなくちゃだめなのは分かってる。でも、弱ってる君をやっつけるなんて・・・出来ないよ・・・。それに・・・、君をやっつけちゃうと、後で後悔するような気がするんだ・・・。」
そう、チャッチャオはやっつけちゃだめ。敵なんだけど・・・敵・・なんだけど・・・。
そんな僕を見てチャッチャオは、そっと微笑んで言った。
チャッチャオ「ふっ・・・。お前は相変わらず、優しくて・・・そして強いな。前と少しも変わっていない・・・。」
チャッカル「えっ!?」
それって・・・もしかして・・・。
チャッチャオ「チャッカルはオレの事を覚えていないのだな。無理もないか・・・。あれから、4年も経つからな・・・。」
やっぱり・・・。
チャッチャオ「オレはお前と再会するために、ここへ来た。会えて嬉しかったぜ!・・・じゃあな。」
チャッチャオが・・・チャッチャオ君が、闇に包まれて消えていく・・・。
チャッカル「チャッチャオ君!!」
フッ・・・
チャッチャオ君は完全に消えた。
たぶん・・・ワープ技を使ったんだ。
チャッチャオ君は・・・
僕の昔からの友達。幼なじみっていうんだろうね。のんびり屋の僕の事で、いつもイライラしてたっけ。・・・それでも、ずっと側に居てくれた。でも・・・、4年前に転生して、それっきり会ってないんだ・・・。
チャッカル「チャッチャオ君・・・。」
僕はとぼとぼと次の部屋へと向かった。
その時、僕の眼から頬を伝って、一粒の宝石が流れ落ちた。
その宝石には、友達と再会できた喜びと、友達を傷つけてしまった悲しみの・・・二つの意味が込められていたんだ・・・。
続く☆