東京
東京圏内には1200万人の悪魔が住み着いている
いつか
そんな話を聞いた
田舎ものには結構な重圧を感じた
ある夜
整備の行き届いた歩道を一人歩く
渋滞の車のスポットライトが俺をてらしていく
一人だけの劇場
観客は見知らぬ他人
終演は俺が細い道に入った途端に終わった
某大手ファーストフード店の売れ残りポテトが、
袋に入れられ路地裏に置かれている
どこからともなく猫がやってくる
最近の猫にとってはごちそうかもしれない
きれいさと汚さが混じったところを人間は好む
だから、東京に彼らは集まる
きれいさと汚さを見つめながら
夢を追って
きれいだけで過ごしたチャオを此処に置くとどうだろう
多分すぐに死ぬと思う
汚さというものが彼らにとっては奇怪なのだろうか
多分そうだろう
もうすぐ僕は汚い世界に慣れようとしている
僕はもうチャオじゃない
fin