第一章 2話 「過去ってどんなとこ?」
スピア達の時代から約100年前
町のはずれ
シュウウウウ
タイム・ホールの出口が出る。
「ふー、やっとついた。スピア、リン、早く出て来い。」
最初に出たのはジャベル。
「兄ちゃん、張り切りすぎだよお。」
「そ・・・そうだぞ、ジャベル。お、俺なんか、穴の中でぐるぐる回ってたんだぞ・・・。お、おかげで気分が・・・。」
スピアの顔は真っ青だ。
「スピア、それはお前の責任だ。」
「と、とにかく、薬を・・・。」
「しかたないな。じゃあ、町へ行くぞ。リン、スピアをおぶってやれ。」
「はーい。よいしょ・・・重い・・・。」
「気を取り直して出発だ。」
ジャベルはまだ張り切っている。
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町
「ふう、重かった。」
リンはスピアをおろす。
「は・・・はやく薬を・・・」
スピアは全身真っ青だ。
「はいはい。あ、そこのお方、薬をくれませんか?」
ジャベルは道行くチャオに尋ねる。
「■★※◎△☆●◇▼!?」
するとそのチャオは謎な言葉を発した。
「やっぱりこういうことになるのか・・・こんなときには翻訳機だ!」
「兄ちゃん、そんなの無いよ。」
「リン、家にあっただろう。」
「そんなの持ってきてないよ、兄ちゃん。」
「なにい!じゃあどうすんだよ!スピアのポヨまで青くなったぞ!」
「■★※◎△☆●◇▼■★※◎△☆●◇▼!!!」
このチャオはいらいらしはじめる。
「おい、リン!取りに行って来い!」
「やだよう。自分がいきなよ。」
「なんだと!?くそっ、過去はむちゃくちゃ話しにくいとこだぜ!」
「あのう・・・もしもし?」
一匹のチャオが話しかけてくる。
「んん?あんた誰だよ。」
「君達と同じ時代のチャオさ。通訳もできるよ。」
そのチャオは得意げに言う。
「じゃ、じゃあ薬をくれるよう頼んでくれ。」
ジャベルが頼む。
「いいよ。ちょっとまっててね。」
数分後
「あー、もう少し遅かったら死んでたな。」
スピアの顔色が元に戻る。
「兄ちゃん、あのチャオ誰なんだろう。」
「さあな。あ、そうそう、一回もとの時代に帰るぞ。」
「兄ちゃんが翻訳機忘れたから取りに帰るんだって。」
リンがあきれた顔をして言う。
(この先思いやられるなあ・・・)
みんな一斉にこう思う。
続く