第一章 第1話 「過去への出発」
チャオが生まれたはるか未来
ハイテク都市・ダイヤモンドシティ
この町は、ビルや工場が多く、家事や炊事もロボットがやってくれる。
かわりに、空気が薄汚れている。
この町に住むチャオ達は、そんな空気を克服したチャオ達。
午前6:30
ジリリリリリ!ジリリリリリ!
目覚まし時計の音が、部屋に鳴り響く。
「・・・なさい、起きなさい!」
「う~ん・・・もう朝なの?」
目をこすりながら言う。
このチャオの名はスピア。そして、スピアを起こしたのがスピアの母。
「今日は早くから遊びに行くんでしょ。早くご飯を食べなさい。」
「は~い。」
スピアは眠たそうな声で返事をする。まだ目は半目だった。
この家は二階建てで、スピアが寝ていたのは二階。
スピアとスピアの母はエレベーターで一階に下りる。
チン
エレベーターは一階に着く。
「おはよう、父さん。」
スピアは、ソファに座っているチャオにあいさつする。
「ああ、おはよう。スピア、寝癖がついてるぞ。」
このチャオがスピアの父。
「え、本当?」
スピアは頭をなでる。
「ホントだ。後で直してくるよ。」
スピアはそういってソファに座る。
「今日のご飯はチャオの実よ。」
スピアの母はチャオの実をテーブルに乗せる。
「いただきます。」
スピアは猛スピードで食べる。
「ご馳走様!」
スピアは食べ終わると洗面所へ行く。
「寝癖直しのスイッチは・・・っと。あったあった。」
ポチッ
「寝癖ヲ直シマス。動カナイデクダサイ。」
洗面台からアームが出てきて、スプレーをかける。
またアームが出てきて、元の形に戻して終わり。
「じゃあ、いってきます。」
スピアはダッシュで家から出て行く。
午前7:32
広場
「遅いなあ。スピアの奴。2人で行くか?リン。」
「まっとこうよ、ジャベル兄ちゃん。」
最初の方がジャベル、後の方がリン。この2人は兄弟だ。
「お~い、ジャベル、リン。」
スピアが広場に着く。
「遅いぞ、スピア。」
ジャベルが言う。
「ごめんごめん。じゃ、さっそくやろうよ。」
「おう。いくぞ。」
ジャベルの手が光る。
「わくわくするね。スピアさん。」
リンが言う。
「ああ、リン。」
「はああああ・・・タイム・ホール!」
ジャベルの手から、光が離れ、大きな穴になる。
「よし、行くぞ!」
最初に入ったのはジャベル、次にリン、最後にスピアだ。
------------------------------------------------------------
穴の中
「なあ、行き先はどうすんの?」
スピアが尋ねる。
「そうだなあ。よし、過去へ行くぞ。」
ジャベルが大きな声で言う。
「お~~!」
2人が言う。
「よ~し、過去へ出発だ!」
続く。