7話 レプリカの存在
とある組織 7話 レプリカの存在
「いいか?最新情報によると…このドアを通る以外、欠片のある場所にはいけないらしい…しかし、このドアの先は…かなり危険らしい」
レッドメアが深刻そうな顔で言う。実際、深刻な話だが。
「じゃあいこっか」
ヒットがドアを開ける。レッドメアは慌てて
「まてっ!まだ話すことがっ…!!」
と、言ったが言い終わる前にドアは完全に開いた。
「ええいっ!いくぞっ!!」
レッドメアは走り出す。ヒットもその後を追う。
「ななな、なにこれっ!?」
ヒットが叫ぶ。そこは、途中で道が切れていて下は溶岩だった。
「いいか?あそこに飛び移るぞ」
レッドメアが指を指す。そこに道があった。ヒットが飛ぼうとした時レッドメアは
「よく見ろ…飛んだらあの電撃ネットで感電するぜ?」
と可笑しそうに言う。電撃ネットは、手を伸ばせば当たる位置にあった。
「こういうのはなっ!!」
と、レッドメアがジャンプする。電撃ネットギリギリの所で落下し始め、見事に着地した。
その後も同じことを繰り返す。ヒットもなんとか成功した。そしてドアの目の前に着いた。
「なにこれ?自動ドアみたいだけどジャンプしたら開く前にぶつかるよ?」
「こういうものは、物体が近づくと開く…さらに、電撃ネットが無くなっているから飛んでも大丈夫なはずだ」
と、レッドメアが言う。
「で、どうすればいいの?」
ヒットの質問にレッドメアはため息をつく。そして説明をし始める。
「いいか?お前が飛んであのドアを開ける。そして俺がジャンプして入ったらお前も入るんだよ」
最後の方は完全に呆れた口調だった。ヒットは理解したらしく、レッドメアの言ったとおりのことをした。
「次は…なに?この部屋は…」
ヒットが呟く。そこは、強風が吹き、足場が全くない部屋だった。
「ちょっと…待ってろ」
と、レッドメアが辺りを見回す。しかし足場らしき物はなかった。
「ここは…飛び降りるんだな」
「は?」
ヒットが下を見る。下は真っ暗で何も見えない。
「んじゃあ、試してみるか?」
と、機械の部品を取り出す。これは壊した機械の一部で、何かに使えるとレッドメアが判断して持っていた物だ。決してそういう趣味なわけではない。
「これを…落とす」
レッドメアがそれを落とす。数秒後、カランコロンと、音がした。
「ほらな?あるだろ?」
と、言いレッドメアは落下した。ヒットも恐る恐る落下していった。
「よし…いくぞ」
レッドメアがヒットを見る。ヒットは頷いた。次の部屋へのドアが開く。そこには、大きな機械があった。どうやら目的地のようだ。
「わぁ…こんな凄い所、ゲームでしか見たことないやぁ」
と、ヒットが言う。レッドメアは無視して
「ここのパスワードはここにいる中では俺しか知らない…くくく…」
と言う。すると案の定ヒットは驚いていた。
「え?え?どうして?」
「あぁ…基地の方からハッキングして、パスワードを書き換えた」
レッドメアは、可笑しそうに言う。そして、パスワードを入力する。
「そこのカプセルが開いたはずだから中身を取り出してくれ」
レッドメアがヒットに言う。ヒットはカプセルが開いているのを確認し、中身を取り出す。そして、それをレッドメアに見せる。
「これだ…間違いないな…よし、行くぞ」
レッドメア達は、盗んだ携帯用転送装置を使って帰っていった。
「あとは技術だ…と言ったがどうやら間に合ったらしい…」
転送が終了し、レッドメアがヒットに言う。
「と、いうより何故魔王を復活させようと?」
「魔王?なんだよ魔王って」
レッドメアが訊く。ヒットは
「RPGゲームとかに出てくる一番悪い悪の親玉みたいなものだよぉ」
と答える。するとレッドメアは笑いながら
「そんなもの、実在するわけないだろぅ!?」
と言った。