５話　よくない人質の図

「まず、つかみとして、レーザーを当てようか」
「誰にさ？」
レッドメアが訊く。

「勿論、君に」
ヒットが、すぐに答える。
「嫌です」

「ふんっ…くだらん」
「ぎゃあっ！！発砲してきたぁ！？…くそぅ！笑いというものがわからないのかぁ！」
ヒットは、少しジャンプして避ける。
「お前はこだわりすぎている」
レッドメアが、ライフルで足止めをしながら言う。

「今までのは、お決まりで、相手の特徴を調べたのっ！！」
「お決まりって…今までのじゃあ、笑うか笑わないかもわからないじゃねぇか！！」
「えっ？結構得点たかいと」
「何の得点だよ…って弾切れたっ！！ちょっと…襲ってキマスヨ！？」
レッドメアはかなり焦っている。

「ヒット！！こうなったら人質作戦だっ！！」
「ＯＫ！！今回は特別に、お前は狙わないよ♪」

「ふはっははは！！こいつがどうなってもいいのか！？」
と、ライトカオスの方をレッドメアが人質にし、ヒットはソニックチャオの方を人質にした。

「……あ」
レッドメアの目が、一瞬楕円形になる。

「これってさ…」
レッドメアが、ライトカオスを見ながら言い始める。

「人質の図として、当てはまるものではないよね？」
今回の人質の図
レラ　　　　　　ソヒ
（レ＝レッドメア　ラ＝人質ライトカオス　ソ＝人質ソニックチャオ　ヒ＝ヒット）

「あぁっ！本当だ！！全員攻撃ができない状態だぁ！！」
ヒットが驚く。

本来の人質の図
レラ　　　　　　ソ
（レ＝レッドメア　　ラ＝人質ライトカオス　ソ＝ソニックチャオ）

「でも残念だねぇ…俺たちがこいつら倒しても１５万もらえないからねぇ…」
「じゃあこうしようか」
ヒットが、右手で紙を取り出し、ソニックチャオで紙を押さえ、ペンで何か書き始めた。

「どわぁぁぁ！！インクが移るぅ！！」
ソニックチャオが暴れている。

「よし！じゃあこれ」
と、ヒットが、１０万と書いた紙をソニックチャオに貼り付ける。

「ほら、これで１０万」
「…いや…どっちかというと、その人形を売ると１０万みたいだぞ」

「じゃあ売ろう」
「売れるかっ！！そんなどっからみても武装したソニックチャオなんか！！」
レッドメアが怒鳴る

「じゃあどうするの？」
「んーとりあえず、盗める物は全部盗んで逃げるぞ」
レッドメアが、片手でライトカオスの装備をどんどん盗んでいく。

「さすが、元泥棒常習犯」
ヒットも、ソニックチャオの装備を盗んでいく。
「クククッ、これぞ泥棒の意地じゃあぁ！！」

「意地なのか…？」
ライトカオスが呟く。

「ではっ！さらば諸君よっ！！」
と、レッドメアとヒットは、降りてきたことにさえ気づかなかったヘリに乗り込む。

「だーはっはっはー！これ売れば結構な値段にぃ！！」
ヒットは、結構ハイになってきた。
「わーはっはっは！無意味な人質にされたうえに持ち物を全部取られた屈辱を味わっている二人がそこにまだいるぜぇ！！」
二人は唖然としているようで、まだ元の位置から動いていなかった