その1
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Scene1 少年宅
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それは、朝の7時45分、朝食を食べ終わった直後から始まりました。
「《イッツ蘭展タイム!》」
少年の突然のネタ振りに、首をかしげる白チャオとピュアチャオ。
名前は、ロッカクとカラアゲです。
「だから行こうよぉ。」
「何に?」
「《チャオガーデンで「蘭展」》やるってさ。」
「蘭展って何ちゃお?」
ロッカクの質問に、言葉が詰まる少年。要するに何も考えてなかったわけです。
ちなみにここは少年の住むアパート、少年は一人暮らしで、チャオ二匹は居候状態です。
「と・・・、とにかく、《ちょっとちょっと、君の好きなソニック呼んであげるからついておいで》。
ついてこなかったら《紙で撲殺》の刑になると聞いている。行くしかないだろ!撲殺なんだから!
さて、入場料が必要だな。リングリングっと・・・」
そういって財布を探し始める少年。
さてこの少年とロッカク、カラアゲとの関係ですが、別に大したこともありません。
偶然出会った仲です。先日一緒に遠足して宇宙まで行ってきたらしいですけど。
「ソニックちゃお!?」
歓声を上げるのはカラアゲです。
「これは行くしかないちゃおね!」
カラアゲはソニックの大ファンです。
止めにかかるのはロッカク。
「なに言ってるちゃお!この少年の言ったことが、本当だったことなんてあったちゃおか!?」
「少年は兎も角として、ソニックはいつでもチャオたちに嘘をつかないちゃお!だから間違いない!!」
「少年の言葉に惑わされちゃ駄目ちゃお!少年の歴代の嘘を考えてみるちゃお。
《裏キーワードを使ったら裏の人間になる・・・かも》という嘘。
少年は実は《グラール生まれじゃなくてグラール育ち》という嘘。
週刊チャオを逆さに読むと《夢幻抱っこ》のやり方が解るという嘘。
《ソニック+ナックルズ=エッグマン》というのも、嘘だったちゃお!」
「なに~。さてはオマエ、《そんなにエッグマンが好きちゃおか?》」
「いやそんなわけじゃ・・・って少年」
「《・・・あの、金庫に入って何してるちゃお?》」
みれば少年は《貯金箱粉砕》しようとしています。
カラアゲは、金庫に貯金箱を入れている人を初めて見ました。
「何って財布にリングがないから貯金箱を・・・」
「だいじょうぶちゃお!」
カラアゲは自分の懐からリングを大量に取り出します。
「こないだアレで手に入れた分が、まだ余ってるちゃお。」
何があったのかはチャピルの「遠足大作戦」を読みましょう。
「おお、さすがアレの《天才だ・・・!》」
喜んで踊り始めるカラアゲと少年を、ロッカクは複雑な心境で眺めていました。
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Scene2 チャオロビー
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で、チャーガーデンの謎のイベント「蘭展」を目指す少年ら一行は、チャオロビーへとやってきました。
するとそこには、なんと無数の警官が!!
「《何事ちゃお!?》」
そんな声を上げたが失敗で、たちまち目をつけられてしまいます。
「《お前ら何してんだぁぁぁ!!?》
《貴様・・・まさかチャオ博士の手下かっ!》」
「は?」
まったく話が見えない少年とチャオ2匹。
「《チャオガーデンに不審者が侵入》したんだ。
闇の取引所で集団強盗をした挙句、煙のように消えてしまった。
その犯人として、チャオ博士が捜査線上に浮かんでいる。
なぜなら彼は、幾多ものチャオと知り合いで、強烈なネットワークを持っているからだ。
犯行時に目撃されたというチャオの軍団も、彼が集めたなら話が見える。
それに決定的なのは、事件後チャオ博士が煙のように姿を消してるということだ!」
思わず顔を見合わせるカラアゲと少年。
どうでもいいんですが、警官は何か妙なものが服についています。
「《あ・・・それニトロ・・・》」
大丈夫なんでしょうかこの警官・・・
と、そのとき警官の無線機に何か連絡が
「《チャオBの踊っているチャオが誘拐されました!》
《全てのチャオラーに告ぐ!総攻撃を開始せよ!》」
「《くっ!RPMの差し金かっ!ピータ君が危ない!》」
そうつぶやくいて、歯を食いしばりながら走り去っていく警官。
「・・・とにかく、チャオガーデンに入ろう。」
少年の提案にうなずくロッカクとカラアゲでした。