【stage2-2】
「んーとね…。それなら実際に試してみるといいよ。
きぐるみならいっぱいあるしね。」
そういうとクレイはレイルに向かってニコッと微笑みかけた。
レイルは同時に目を丸くした。
「え?本当にそんな事できるのかい?」
その時後ろのサウダーの目が輝いている事に気付き、
渋い顔をしながらサウダーを見た。
「え!?チャオになれんの!?」
目をキラキラと光らせ嬉しそうにクレイに近寄った。
「うん。なれるよ。方法は簡単さ。」
「ならば是非なってみたいものだ。」
「すっげー!俺もなりたいぞ!」
「…君は少し気持ちを落ち着かせろサウダー。」
言うとジトッと細い目でサウダーを見つめた。
同時にクレイは手に持っていた黒い箱を差し出した。
「チャオ」の手のひらぐらいの大きさで、キレイなほど真っ黒な箱だ。
「…?その箱は…?」
レイルはその箱を見る度軽く首を傾げた。
「さっきも言った通り方法は簡単。「チャオズチェンジ」を使う。
この箱に君たちの身体情報を詰めてチャオにキャプチャさせればいいのさ。
チャオに小動物をあげる容量でね。」
「え?じゃぁきぐるみってチャオそのものなのか?」
「そんな事して大丈夫なのかい?」
不安そうにクレイに尋ねた。
が、クレイの表情は変わらず返答は普通のものだった。
「大丈夫さ。君たちがチャオに入っている時はそのチャオの精神は一時的に眠る。
君たちがチャオの体から出る時にチャオは目を覚ます。」
「ほー。それなら安心だな。」
クレイの言葉を聞き安堵の表情を浮かべるサウダー。
「これで俺もチャオに…」と嬉しそうに呟いた。
「しかしサウダーはその足元にいるチャオに入るとして、僕はどうしたらいいんだ?」
「留守番でいいんでねーの?」
「そんなの絶対嫌だよ。」
冷静な表情を浮かべるレイルだが、その顔はどこか輝いていた。
心の中では大好きなチャオになれる事で舞い上がっているようだ。
「チャオを手に入れるのが難しい時代になったしね。その一匹しかいないならしょうがないよ。交代で使えばいい。」
クレイはそう言うとまたいつものようにニコッと微笑んだ。
「むー。しょうがねぇけどそうするか…。」
「ま、チャオになれるだけありがたいさ。」
嬉しそうな顔で完全に舞い上がっている二人。
しかし子供の、これから「容器」にされるチャオは不安そうな顔をしていた。