The last light blue

【プロローグ】

「もうすぐ…もうすぐ終わる…すべて…!」

黒い丸渕眼鏡にボサボサの髪型。
カラダには森を思わせるような深い深い緑色の液体がところどころに付着した白衣。
長身で細身の男が
もう何も見えないような暗闇が覆う研究室で小さな黒い「箱」に手を添えていた。
「箱」は本当に汚れも無くキレイなほど黒く、
形は立方体。「箱」とは言うが特に開く箇所はなさそうである。
大きさは大人の人間の手のひらほどのサイズ。
まぁ、手のひらといっても人それぞれであるから想像する「箱」は皆違う大きさだとは思うが。

「本当に…究極の生命体なんてできるのか?」

「箱」をさわる男の後ろに現れる男…。黒いローブで身を包んでいる。
が、「箱」の男とはまず身体の大きさが違った。
小さめの男…いや、人間ではないと思われる。
体からはローブを通してもわかる、何か強い力を匂わせる。

「作れるさ。私の理論はこれで完璧…。
 ま、万が一失敗したって私は何も失う事はないのだ。研究費用も上から援助してもらったしな。
 強いて言うなら気力と努力…かな。」

返答するために振り返る訳でもなく男は箱を古ぼけた机にポンと置き、ずれた眼鏡を人差し指で整えた。
それと同時に小さめの男がため息をついた。

「どうしてそういつもお前は失敗に恐れがないんだ?」

その言葉を聞き眼鏡の男はフッと口元をゆるませた。
さっきまでがんとして動きがなかった顔にようやく「余裕」の表情が浮き出た。

「あたりまえさ。そうでも思っておかないとやっていけないよ。組織の研究員なんて。
 正常な気力でやっていけないよ。」

眼鏡の男はそう言うと近くにあった大型のコンピュータに目を向けた。
指先を器用に動かしカタカタとキーボードの音を鳴らす姿はまさに研究員といった感じだ。

「フン…こんな所で働こうなんて思う時点でイカれているがな…。」

「ま、見ててごらんよ。もうすぐ「究極」とやらを拝めるさ。」

眼鏡の男はまた人差し指で眼鏡を上げるとコンピュータの液晶を睨むように見つめた。

「究極…な。この様子だとさっさと避難したほうがよさそうだな。」

小さめの男も同じようにコンピュータをチラッと見た。
液晶には「Please wait.. 【CHAO】」と書かれていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第320号
ページ番号
1 / 4
この作品について
タイトル
The last light blue
作者
チャビック
初回掲載
週刊チャオ第320号
最終掲載
週刊チャオ第321号兼ライトカオス記念号
連載期間
約7日