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それはクリスタルのような容器に入っていて、緑色にきらきらと輝いて見えます。
【レイト】「それ、なに?」
【レクプロン】「これは『カオスドライブ』って言ってね、飲むことでチャオのいろんな能力を上昇させるアイテムさ」
【レイト】「カックイー。必殺技みたいなアイテムだね」
あらあらー。
レイト君はありもしない必殺技を繰り出そうとファイティングポーズをとっているようですが、レクプロンおばあちゃんは気にもとめず話を続けてますよー。
【レクプロン】「このカオスドライブは『ハシリ』をアップさせるものさね」
【レイト】「じゃあ、それで『どーぴんぐ』さえすれば勝ったも同然ってこと?」
【レクプロン】「これ! どこでそんな人聞きの悪い言葉を覚えてくるんだいこの子は……。いいかい、坊や。これはチャオの世界では公に認められているアイテムさだし、使ったとしても少し程度しか強くならないんだよ。だから坊やはあのタキオンのようにエッグマンのロボットに立ち向かってこれと同じカオスドライブをもぎ取り、集めなくちゃならないよ。カオスドライブならタキオンのようにダサい進化はしないはずだからねえ……ってコラ、寝るんじゃないよ」
【レイト】「おばあちゃんの話、長いもん。で、ぼくは何をすればいいんだっけ?」
【レクプロン】「バカタレ。年寄りを酸欠で早死にさせる気かい! なん……ゲホゲホッ!」
咳込むレクプロンおばあちゃんをレイト君が優しく介抱しています。
【レクプロン】「おお、すまないね。で、話の続きだけど……なんでもいいから5番街の廃墟でたむろしているエッグマンのロボットをやっつけてみるとええ」
【レイト】「うわーい、フツーにトレーニングしたほうが簡単そー。ぼくチーズさんみたいに体強いわけじゃないし」
【レクプロン】「短期間でレースに勝てる体を作るにはそれしかないのさ。いいかい、カオスドライブを手に入れたらそのまま直接飲まずにあたしの店まで持って来るんだよ。少ない量でもめいっぱい強くなれるよう効果的に調合してあげるからね」
こうして。
なんだかよくわからないうちに自力でカオスドライブを調達してくるハメになってしまったレイト君。
いかにも気が進まなそうな足取りでレクプロンおばあちゃんの占い館を後にしました。
さて、これからどんな冒険が待ち受けていますことやら。
【おねえさん】「ようこそ、『月刊ハイパーチャオラーズ』編集部へ。ボク、ひょっとして迷子かな?」
【レイト】「うーん、確かにボロっちい場所だけど違うよねえ。わーん、おばあちゃんにセーカクな場所を教えてもらってなかったよー」
やれやれ、先が思いやられますねえ。