最終話の続きその3
そしてナックルズ、ルージュ、エミー、テイルスと生み出してみたものの、みなあたしの力には及ばなかった。
あれ?これはなんだろう・・・。
マリアのすぐ横にきらきら七色に輝くクリスタルの卵があった。
これって・・もしかして遺跡の像の額にはめこんであったお宝??
マリアの手形を使ってサラビカが侵入者だったのか。納得。サラビカなら可能だもんね。
と、後ろについてきたテイルスが言った。
「あ、それなら見たことあるよ。麻奈さんをチャオから人間にするとき使ってた。なんかチャオにもどすときもそれが必要みたい。でもこれが僕達のマリア様なんだね。麻奈さんそっくりだぁ。」
「・・ふーん」
あたしはなにげにその卵にさわってみた。・・・すると、液体のカプセルの中のマリアの閉じたまぶたが開いた!!
液体の中の見開いたまなざしが、あたしをみつめる・・。そしてその瞳の奥から妖しい光がはなたれた。
ガシャン!!!
マリアのガラスが割れて、生あたたかい液体がながれだす。
あたしはとっさに言った。
「テイルスっ!みんなを呼んできて!!早く!!」
「う、うんっ」
あまりの事態にテイルスは驚きで真っ青になって震えていて少しちゅうちょしたけど、すぐ研究室をでていった。
ぴちゃ。
流れ出る液体をふみながら、マリアがあたしの前にあゆみでてきた。
そして、あたしたち二人は、不思議な七色の卵の光につつまれた。
光の中で、マリアがあたしの右手に左手を、左手に右手をあわせた。
すごいエネルギーがながれこんできた。あたしは目をつぶってくらくら意識がとおくなっていく。
・・お母様・・この時を待っていました。
私の役目は終わりました。今度は人間からチャオに転生したお母様が、この地球の意思を受け継いで、この星の未来を守っていってください・・・。
チャオワールドの時代は終わりました。すべて無になります。
そして・・お母様からすべてがはじまるのです・・・。
そしてマリアは手をはなした。
マリアは祈るようなかたちで・・・マリアの、いえ、地球全部のエネルギーを放出した。そう、マリアやあたしは地球の中心核のエネルギーを媒体できるのだ。
その瞬間、あたしは虹色のクリスタルの卵のなかにいた。
からだがとけて・・細胞が分解されていく・・・。そしてあらたな細胞の形成・・・。
卵の中で・・あたしは・・水色のチャオに変化していった・・・。
ある日、火星から一隻の宇宙船が飛び立ち、地球へ着陸した。
絶滅をかろうじてまぬがれた人類が1000年かけて人工衛星で地球を調査しつづけ、今やっと地球の汚染がまったくなくなったことが確認。第一弾の調査隊の派遣であった。
あたしは彼におこされるまで、まったくきがつかなかった。
チャオワールドがあとかたもなく消えていて・・・。みんなもいなくて・・。そして昔からの地球の自然がさらに美しく広がっていたなんてことは・・・。
あたしは誰かにゆらゆらゆすられて目を覚ました。卵の殻がわれた。まぶしい、太陽の光がさしこむ。
あたしを抱っこしているのは・・智樹?ううん、にてるけどちょっと違うかな。
「笹中君、なにを発見したんだい? そ、それはもしや・・」
「ええ。僕のご先祖様、新人類のチャオです!」
彼はまんべんの笑顔で即答した。
そして、あたし、チャオと人間との新たな共存の歴史がはじまろうとしていた。
おしまい☆
★あとがき★
終わりました!!最終回の予告からかなり月日がたってしまいましたーーー。年末年始のハードなお仕事とか、風邪の悪化とか、いろいろありまして・・。読者の皆様・・もしやお忘れに・・なっているかも・・。と不安をいだきつつ、長い最終話をのせさせていただきました。だいたいの謎は明かしたつもりだけど・・細かいあやふやなところもあるかと思います。それは読者の想像力にゆだねたいと思いまする☆
まさかこんな長期連載になるとは、ユメユメ思いませんでした。はじめての連載ものでしたけど、愛読してくれて、感想くれた方々に刺激されて、お話も大きくふくらみました。みなの感想がなかったら、このお話はこんな風ではなく、もっとあっさり終わっていたかと思います。今更だけど、感想くれたみんなーーーっっ!!ありがとーーーーー!!!