最終話
天使の卵 最終話 すべての謎は明かされた・・そして新しい未来へ
「麻奈様」
あたしは、ヴァンの声で目が覚めた。
え?もぉ真夜中?あたしってばこんな時にバク睡していたとは・・。
起き上がってみると、夜の満月の明かりに映し出されて、あたしの部屋にヴァンとソニックとファインとナックルズとアラビカとルージュとそして、シャドウがいたーーーー!!
すごい顔ぶれだ☆
「アラビカっ!!よかったー!もとにもどれたんだねっ!でも、どうして・・まさかシャドウが・・?」
「ご心配かけました。そうじゃ、シャドウ様が術をといてくださったのじゃ」
「フッ。どおやら俺の考えが間違っていたらしい。あやうくあいつにだまされるところだった」
シャドウがひかえめに言った。少し照れてるかんじ。
「俺とヴァンで、シャドウを説得したのさ。ヒーローサイドの裏切り者の正体をぶちまけたら、シャドウもわかってくれたよ。それでアラビカの洞窟にいって、もとにもどしてくれたんだ。」
「誰?!誰なのそいつはっっ」
あの、シャドウと話していた奴だ!!会えばわかるはずだけど・・昼間はいなかった。
「それより、麻奈様」
あたしの質問を無視してヴァンが言った。
「女王様からききました。まずは麻奈様のご決断をお話ください」
「・・・ん。あたし、ここに残る。元のチャオになるよっ!!」
そうなのだ。あたしも、きっとチャオの麻奈も、このチャオワールドが好き。このチャオ達が・・・。人間としてのあたしの役割は、他の誰かがやってくれるかもしれないけど、今、この世界から、あたしは出て行くことなんてできないっ!!
あたしを悩ますいろんな謎も、チャオの麻奈なら悩まないだろうし。
智樹・・智樹に会えなくなるのはつらいけど・・。
でもいいのっっ☆過去のことよりイマのことが大事なのだっっ!!
ヒュー♪
ソニックが口笛を吹いた。
「やっぱり麻奈はこうでなきゃ!」
「そうですね。さすが麻奈様です。そのお覚悟が嬉しい。しかし、チャオにもどる儀式は一時中止されるでしょう」
「なんで? ヴァン?」
「麻奈っ、お前にはまだ話せねーよ。だってお前、顔にすぐでるじゃんか」
ナックルズーーー!!あいかわらず口悪―――!!そーゆーあんただってそーだろーが!!
「明日になればわかる。麻奈は俺たちを信じていればいいのさ」
ソニックが笑って言った。
すると、シャドウがあたしに近づいてきた。
「・・・麻奈。今まですまなかった。今更信じろとは言わない。でも、俺はお前を守るために生まれたんだ。今までも俺なりのやり方でお前のことを思ってきた。それはわかってほしい!」
「・・うん。シャドウ・・」
シャドウはあたしの右頬にキスをしたかと思うと、ひらりと窓から外に飛びだし、外に待機していたオランの背にのった。
きゃーーー☆シャドウってばどーしてそーゆーことすんのーー☆
「では、諸君、明日、大広間で再会しよう!!」
バッサ、バッサと音をたてて、シャドウとオランが飛んでいった。
「チッ。あいかわらずキザな野郎だぜ」
ホントだよっ☆ナックルズのいうとおりっっ☆
「んでも、シャドウはどこにいったの?」
「シャドウ様は明日の準備のため、ダーク帝国に戻られました。シャドウ様はお母様思いのお方ですが、その思いより、麻奈様への愛情のほうが深かったのですね」
も~☆ヴァンもたんたんとすごいこというなぁ。
あたしはこーゆーストレートな表現は苦手だぁぁぁ。
「俺にははじめからわかっていたさ。あいつは麻奈のためならなにもかも投げ出すってね。だから、俺はあいつに麻奈を譲ったんだ」
「ふーん、ソニック余裕じゃんか。お前にはもうエミーがいるしなー」
ナックルズがにやにや笑って、からかうようにソニックに言った。
「エ、エミーは関係ねぇ!あれはあいつが勝手に・・!!」
「あーら、関係ないってどーゆーことぉ?」
いつのまにかエミーがドアを開けて、立っていた。
「ソニックったら☆テレなくていいじゃーん。それより、約束どおり連れてきたわよ」
エミーのあとから黄色いニュートラルのチャオが姿を見せた。前髪のふさふさがかわいいっっ。しっぽもふさふさーー。
「よっ、テイルス!」
「驚いちゃった。ソニック、すごいことやるんだねーー」
テイルスと呼ばれたチャオは、あたしを見ると、あわててペコリとお辞儀をした。
「こ、こんばんは。麻奈さん。ぼく、テイルスです。今はサラビカ様の助手をしています」
助手?弟子ではなくて?
そういえばサラビカにまだあっていないなぁ。
「こんばんは。テイルス。助手ってなにすんの?」
「サラビカは法師の力より、科学の才がきわだって高いのじゃ。テイルス君は機械に強いので助手にしておるのじゃろう。サラビカの力がなければ、麻奈様を人間にして、過去にもどすことも不可能じゃった。チャオにもどすことができるのも、サラビカただひとりじゃ」
アラビカが答えた。
え?でも、ダークの宮殿であたしをチャオにしようと