~プロローグ~

空に、くろい雲がかかっていました。鳥の遊ぶ空には雷鳴がやむことをしらず、鳴り響き、季節の香りの伝達役の風は、大きくあれ、吹き続けています。鳥のさえずり、動物のざわめき、そんないろんな風景を見せてくれる森の木々たちは、静かに息を引き取っていきました。そんな時、天から使いが現れ、この荒れた世界を作り出した元である、”闇の誓い”をこの世界から消し去り、この世界を安らげる、そんな伝説が、この世界には伝わっていました。この話のそのままの事が、今、この世界に起きていました・・・

やはりこの日も、風は吹き荒れています。もう、だれもが季節を感じることができません。
この日、ある村の村長は、ある決断をしていました。
「あの力を今使うじゃ・・・今、わしら、この世界に生きるものたちは、天の使者をもうこれ以上待つ事はできないと、どこに行っても聞くことができる世界になってしもうた。」
と、・・・

このときただの幼い少年だった一人の少年も、時に、大きな、とても大きなものを背負うことになります。
誰もがもう、天の使者をあきらめ、世界の消滅を覚悟していたころです。
ただの冒険者も、旅人も、村人も、世界のすべての人が、そんな少年の存在も知りませんでした。でも少年はいつの間にか、立派な存在になっていたのです。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第158号
ページ番号
1 / 5
この作品について
タイトル
『天からの使い』
作者
ポトッチ(ぽと)
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
週刊チャオ第179号
連載期間
約4ヵ月28日