第十九話(下)
・・・・・・・。
チャリアルは、そこまで言い終わると、黙って下を向いた。
「どうした?」という顔(?)で、様子をうかがうオレ。
足を一歩手前に出した・・・
と、その瞬間!
ビュン!!・・・・・
クロ「!!」
オレの体に、ロープが絡めつく。
そう、メイドは黙り込み、オレが近くによるのを見計らって、縄を投げつけてきたんだ。
一気にぎりぎりと締め付けられるオレ。
縄の先は、メイドが引っぱっている。
クソッ・・・。
チャリアル「復讐するはずと、言ったはずですわ!」
そう言うと、メイドは何か小さな笛みたいなのを取り出した。
そして、口にくわえたんだ。
まさかっ!警備を呼ぶのか・・・!?
そうはさせるかぁ!
オレは、笛の音が聞こえる前に、高くジャンプしてロープから抜け出した。
あぜんとして、オレの姿を見るメイド。
「チリリン・・・」と笛が、屋根に落ちる。
スタッ。
クロ「ふう・・・。危なかったぜぇ・・・。」
そう言いながら、汗をふきとるオレ。
すると・・・
チャリアル「・・・・。」
チャリアルは、無言のままうしろへ引き下がる。
そして、片方の足を屋根の先にかけた。(つまり、もう屋根はないのね)
オレは、それに気づき、少しだけチャリアルに近づいた。
だが・・・
チャリアル「まだ、ダメでしたのね・・・・」
その声が聞こえた瞬間、オレの視界からメイドが消えたんだ。
まさか!落ちた!?
オレは、もう無意識のうちに走って、しゃがみこみ、メイドの手をつかんでいたんだ。
空中にぶらさがるメイド。その手をつかむオレ。
少しの間の沈黙。
オレは静かに口を開いた。
クロ「お前に、まだ聞きたいことがあるんだ・・」
そう言うと、オレはその手をぐいっとひっぱり、メイドを屋根に立たせた。
向かいあう二匹・・・・。(何)
と、その時。
「なぁーに、やってんだか・・・」
うしろから、メスのチャオの声が聞こえた。
オレはとっさに振り返る・・と
次回へ続くらしいです。(爆)