小説事務所 「Misfortune Chain」
     全ての事象は繋がっている。
 ……なんて書くとちょっとファンタジーだが、これは不思議でもなんでもない、極自然なことだ。
 理屈で考えれば早い話だ。必ず物事には何かキッカケがあるし、その物事がまたキッカケになるのも至極当然のことだ。
 火のないところになんとやら。その火は放っておけば消えるか、あるいは引火して更に燃え盛る炎となるか。
 昨今この世界を裏側から覆う人工チャオの存在。それが現代を静かに脅かし始めたキッカケは、ずっと昔からあったのだ。
 それは、私にとっては深い関わりの無いことだと思っていた。
 でも、気付けば私も煤けて黒ずんでいた。
 燃え盛る炎を止める為に、この身を焦がしていたみたいだ。
 誰かが教えてくれるまで、私はずっと気付かないままでいた。
