最後の話

─召集状─ 最後の話

いっそう明るい昼間でした。
でも、その昼間の下の砂の起伏に、時折火があがったりもします。
もう、彼らは砂の上を飛び立って、空気を切って、
幸せのあった方角へ、向かっていました。

─「これが戦争への反抗の印になる」─

その言葉を信じて、真昼の飛行、そして飛翔─

ふっと、誰かの姿が、思いうかびます。





いっそう明るい昼間でした。
初夏の、めずらしく晴れた日、掃除したばかりの部屋に、雑誌をめくるぱらぱらという落ち着いた音が響きます。
開けっ放しのリビングのドア、一歩外に出れば、涼しげな廊下。
そこから、二つ、落ち着かない音がぱたぱたと聞こえてきました。

あの日と同じ青空でも、ここまで違うものなのでしょうか─

「もぅ、また走ってる」
階段が軋み、文句ありげな声があがります。
「レースにでも出るつもりかな」
「さあね─カラテのほうが絶対楽しいのに・・・」
「レースのほうが楽しいチャオもいるさ─」
ふたりは、もう一段階段を下りて、廊下を覗き込みます。


「陽斗、羽月─廊下が壊れちゃう」



─Fin─

このページについて
掲載号
週刊チャオ第157号
ページ番号
9 / 9
この作品について
タイトル
─召集状─
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ第148号
最終掲載
週刊チャオ第157号
連載期間
約2ヵ月5日