パートB

と、そのまま某氏は部屋を出た。トイレ、と言葉を残して。

【冬木野】「あ、ふゆきも。」

お前はそのまま帰ってくれ。その方が有難い。

【冬木野】「嫌な言い方だな、それ。」




そして、腰4回と肩2回、そして頭5回の強打の洗礼を受け、ベランダに到着した。途中、足に枝が刺さった気がする。
誰が電話に行ったか、誰が何分で家に帰ったかを記憶から消されたまま、部屋の中をチェックした。決してのぞきなどではない。

【ヤイバ】「とことん不審者ですねー、俺達。」

やめてくれ。今警察がこっちに来ないからってそれは明らかに嫌な発言だ。

部屋の様子を見てみる。ベッドにうつ伏せてのたれかかっているような感じだ。
ベッドは結構荒れている。テーブルは倒れ、パソコンのマウスとキーボードは床に落ちている。しかもカップが床で割れて、枕なんてパソコンの方にある。
・・・いくら何でも荒れ過ぎだろう。プロレスでもやってたのか?・・・の割には、スマ氏の傷は少ない。どこか切れててもおかしくない。
それに―――誰かの気配を感じるような―――?















―――あ























今、とんでもなーくアホらしい答えに辿り着いた。これ以外に考え付くものが無い。
とりあえず、それを前提に組み立ててみよう・・・あ、もう出来た。

【ゼロ】「うわー、俺帰っていい?」
【ヤイバ】「え、何で?」
【ゼロ】「頼む、これしきの事で苦労したかない。本当に寝たくなった。」
【ヤイバ】「寝るな!事件捜査の真っ最中!」
【ゼロ】「事件かー?」

じゃ、これから種明かしに行くか?



















【冬木野】「負けた。」
【ゼロ】「やっぱり。」

しごく簡単な事であった。ただのイタズラなのだ。これを聞いただけで今までの緊張感、否、疲労感が更に増した。

【某】「いつから気付いたのかな?」
【ゼロ】「最初は疑ってたけど、話を聞いた所でもう確信はしてたかなー?部屋を確認したらもう断言しても良かった。」
【ろっど】「やっぱり無理があったっぽいですね。」
【ヤイバ】「で、何故こんな事を?」
【冬木野】「勿論、チャットで話し合った結果がコレだ。」

はぁ?コレダケ?とでも言いたくなってきた。正しくコレダケなのだ。「誰でもいいから騙してみよう」という事になったらしい。
そして、そこの冬の温度と霜柱意外なら好きだという少年が決めたターゲット決定法が、ダーツ。
そして、見事に事務所にぶっ刺さってしまった。なんとも迷惑な話である。

【冬木野】「最後にはお前達を殺そうとする予定だったがな。」

何ィ!?今殺してやろうかテメェ!

【冬木野】「本気な訳無い。」
【ゼロ】「それでも迷惑だバカモン!」


やはり、警察は頼める状況らしい。つか、何も全軍出撃ーになる訳ない。あるとすれば、SSがパーフェクトカオスに呑まれちまうぐらいだ。
とりあえず、それを利用して部屋を調べさせないつもりだったらしい。が、そこで俺が調べると言い出したので、ちょっと戸惑ったらしい。

【某】「それで、電話でスマに連絡したって訳さ。」

なるほど、俺が庭に出ようとしたあの時か。後でふゆきどのから指示を受けて、部屋を荒らしたらしい。
あまり時間が無かったのだろう。「とりあえず、適当に部屋を荒らしてほしい」という、当人にはとてつもなく迷惑な指示を受け、あそこまで荒らしたとか。

【冬木野】「それがアダになるとはなぁ。」
【ろっど】「とんだミスですね。」
【冬木野】「今度またやります?」
【某】「誰に?」
【DX】「あぁ、またダーツします?」
【ゼロ】「それでまた事務所が当たったらその時点で諦めろ。」
【冬木野】「ああ、じゃあ無理だな。大半は事務所で埋めてるし。」

最初から俺達をターゲットにしたかったらしい。殺してぇ。




休日を無駄にするのだけは嫌だった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第258号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
小説事務所=探偵事務所?
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
初回掲載
週刊チャオ第258号