第4章
9月
せみの声も聞こえなくなった。
いつもなら、優奈にとって何もない月だ。
だが、今年は違った。
優奈はデニムのショルダーバッグを持って、家に飛び出た
「じゃ、この子お願いします。」
ムーンナイトをチャオ幼稚園に預けた。
そしてまた、歩き出した
行き先は・・・・学校だった。
優奈は1年生の1学期までは学校に来ていた。
しかし、親が仕事で遠くへ行った時からは行ってなかった
そっと校長室へ入った
「んーー・・・あー・・・君ね、七瀬君。」
校長はのんびりおせんべいを食べていた。
「ズズズ・・・確か6年だったっけ・・・?そしたら君は1組だよ。」
今度はのんびりお茶を飲んでいた
全く調べた気配がないので
「本当に1組いいんですか?」
と聞いた。
すると校長は
「始業式は終わったよ。」
と言いつつ、またおせんべいを食べ始めた
「え?始業式は終わった?うそん!!し、失礼しましたぁ!」
荒っぽくドアを閉めて、優奈は階段をかけのぼった
「たしか、6年のクラスは4階に・・・・」
やっと4階に到着
「あった!6−1・・・。」
本当は今すぐ入りたかったけど、何か言われそうなので廊下で待っていた。
3分くらいたって、若い先生が来た
「あら、あなた七瀬さん?」
「え・・・?あ、はい。」
先生はニコッと笑い
「それなら、教室にはいりましょ」
教室に入った
クラスの連中が優奈を見た
優奈はこの場を切り替えようとして
「七瀬優奈です、1年の1学期までここにいました、これからよろしくお願いします。」
と言っておじぎした
先生は
「自己紹介は終わったわね、じゃあ・・・・・席は・・・あ、ひー君の所が開いてるわね、そこに座って。」
ひー君事佐々部光(ひかり)は
「先生、ひー君って呼ばないでよー。」
小さくて可愛い男子だった。
「それじゃあ、新学期も頑張りましょうね。それでは10分休憩!」
先生が言った
そうすると、クラスの女子が優奈の方に来るわ来るわ
ひー君は他の男子の所へ行ってしまった
「あなたって今どこに住んでるの?」
「誕生日はいつ?」
「アタシ○☆(名前)!これからもよろしくね!」
優奈は質問をかたっぱしから答えた。
次に、耳を疑うような質問が耳に入った
「七瀬さんはチャオ持ってるの?」
「え・・・うん、ムーンチャオなら家にいるよ。」
優奈が答えた瞬間、女子が騒ぎ立てた
「ムーンチャオ持ってるの!!?いいな~~うちの母さんなんかジュエル系買ってくれないのよ~~~!」
「私のところも~『色付きチャオで我慢しなさい!』って言われる~」
「ねぇ、今度七瀬さんの家に遊びにいっていい!?」
優奈は嬉しくなった、なんだ、みんなもチャオを持ってるんだなと。
「いいよ!私、いつでも空いてるし!」
「やった~~~!ありがと~~~七瀬さん~~。」
優奈はちょっと困った
「七瀬さんじゃなくて優奈でいいよ。」
「わかった。」
今日は始業式だったので午前中で学校は終わった
ナイトを引き取って、家に帰ってきた
「ナイト。今日、何習った?」
ムーンナイトは答えた
「クルクルダンス。」
「そう・・・・今度さ・・・私の友達来るからさ。そのクルクルダンスみんなに見せる?」
優奈は聞いた、けどムーンチャオは嬉しそうに
「うん、いいチャオ♪」
「ありがと。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く~~~~~~~~~