第1話

少女は、夢を見ていた。
暗くて、狭い寂しい空間にいる自分が見えた。
そこから小さな光の筋が見えた・・・

目を覚ました。
少女の名前は優奈。
両親がいなくてひとりぼっちだった。
しかし、家事が全て得意なのは幸いだった。
優奈は学校に行かなかった。

買い物帰り、
どこかの店の看板に「新しいチャオの卵入荷!ムーン、ノーマル、ジュエルなんでもあります!」と赤文字で書いてあった。
優奈はチャオの事なんか全く知らなかった。
「ちゃお?なんの事?しかも、ジュエル、ノーマル、ムーンって一体?」
しかし、優奈はその店に引かれるように入っていった。
店の中は卵でいっぱいだ。
青い卵、赤い卵、白、オレンジ、ピンク、緑・・・
「ちゃおって色んな種類があるのね。」
優奈が感心しながら奥へ進むと、
光っているチャオの卵があった。
プレートに『つやつや、ジュエル、金銀』と書いてあって、天井に掛かっていた
「こんなにきれいな卵もあるんだ・・・」
そして、そのまた奥に『ノーマル、ムーン』と書いてあった。
「ノーマルって水玉の黄色と水色、白なんだ・・・」
ノーマルがたくさんあって、紫に光っている卵がヒトツあった。
「これがムーンチャオの卵・・?」
優奈は我慢しきれずにムーンチャオの卵を買った。
ついでに『チャオの生活大百科』の本を買った。
30分ぐらいたって、優奈は帰ってきた。
「卵のかえし方、ゆする、叩く、放置。ぬるま湯に入れてもよい。・・・なるほど・・・。」
『チャオの生活大百科』片手に優奈はぬるーいお湯を作った。
そして卵をお湯の中に入れた。
5分ぐらい経つとチャオが出てきた。
チャオはお湯の中でバタバタ動いていた(洗面器の中なので溺れない)
「これが・・・チャオ?うわっ!」
チャオが洗面器をひっくり返した。
優奈は慌てて、タオルを取ってきて,床を拭いた。
チャオは不機嫌だった。かまってくれない、抱っこしてくれない、おまけにびしょびしょ・・・
「あ、ごめんごめん、風邪ひくよね。」
優奈はチャオを担ぎ上げてそーっと拭いた。
チャオはご機嫌になった。
「ダメだよ,動いちゃ、拭けないでしょ。」
やっとの事で、床や、チャオを拭き終わった。
チャオはふにふにとハイハイで部屋中をぐるぐる回っている。
「チャオには木の実を与えてください、けど人間の食べ物を与えるのは別によい・・・。」
「う~ん・・・木の実買っておくの忘れたな・・・そうだ。」
優奈は冷凍庫からアイスを取り出した。
「りんご味だから大丈夫よね。」
優奈はアイスを少しだけお皿に入れた。
チャオはそれにつられるかのようにやって来た。
「食べてみる?」
優奈はアイスの乗ったスプーンをチャオの口に近づかせた
「チャオ?」
ポヨが?になった。けどそのまま食べた。
「!!Vv!!チャオ~~Vv」
どうやらとてもおいしかったらしい。
「そんなにおいしい?」
優奈はチャオに早く食べさせた。
15分経って、チャオはアイスを食べ終わらせた。
気が付くと、夜だった。
「もう寝ようね、あ、名前決めてなかったね。う~~ん、この子ムーンチャオだから・・・ムーンナイトでいいか。」
チャオはもう寝ていた。
「おやすみ・・・」
優奈は眠った。
いつもより、寂しくなかった・・・ものすごく楽しかった・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第16号
ページ番号
1 / 11
この作品について
タイトル
少女とチャオ
作者
まっきー(ライカ)
初回掲載
週刊チャオ第16号
最終掲載
週刊チャオ聖誕祭記念特別号
連載期間
約6ヵ月4日