digression
今日のウチに一通り所員の方と顔を合わせ、いろいろと話した。その夜、私はカチューシャをつけてベッドに身を投じていた。
これまで聞いた話全て、信じても信じなくても同じである。その事で悩んでいる訳ではない。
では何を悩んでいるのだろうか。聞いた話を会長に話す、これからの事務所生活、私の寿命、どれをとっても該当しない。じゃあ何?
人生でこれほど悩んだ事など一度もない。悩みとは、こういう事を言うのか? いや、違うな。一つのモヤモヤという奴か。それでもない。
続きは明日考えよう。そう結論付けて就寝体制に入った瞬間、私の腹が鳴った。
――夕食を食べていないじゃないか。