第十話 『記号』
神聖なる物語 第十話 『記号』
老人「で・・・次は・・・。」
老人「エル!お前じゃ。」
チャオリン「頑張ってきてねー。」
レッドメア「zzzz・・・。」
エル「・・・・。」
老人「まずこれを・・・・。」
老人は何かをポケットから取り出した。
老人「ほれ、これじゃ。」
エル「紙切れ・・・?」
老人が取り出したのは、アルファ、ベータ、ガンマと書いてある、メモ用紙程度の大きさの紙だった。
エル「コレで何を?」
老人「想像する。」
老人「アルファの記号は氷、ベータの記号は炎、そしてガンマの記号が雷じゃ。やってみぃ。」
エル(氷・・・・・炎・・・・・雷・・・・。)
老人「終わったようじゃの、何を想像した?」
エル「アルファの記号から氷、ベータの記号からは炎、ガンマの記号からは雷が出てくるのが想像出来ました。不思議です・・。」
老人「ヤハリの・・。今度は、自分の血で手の平にアルファの記号を書いてみなさい、左にはベータじゃ。」
エルは爪を砕いて、手の平にアルファとベータの記号を書いた。
エル「しかし・・・これで何を?」
老人「まあ見てなさい。」
老人「ぬぅぅぅ・・・・。」
老人「コールドアルファ!」
ピキピキピキ、と音をたて、老人周辺の物は全て氷りついてしまった。
寝ているレッドメア以外は氷りつく瞬間を、唖然と見ていた。
老人「一回やれば意外と簡単じゃ。ホレ、やってみぃ。」
エル「はい・・・。」
エル「コールドアルファ!!」
パリーーン、と音をたて、先程氷りついた物は粉々になっていた。
老人「上出来じゃ。ファイアベータも同じ感覚で出来るぞよ。」
老人「問題はガンマの方じゃが・・・それはまた今度じゃな・・・。」
続く