第7章 最初の島 52 シャドウ編 誰も勝てない
シャドウ「・・・・・・・・・・」
シャドウは、倒れたまま動かない。
ウィップ「この程度だったんですか?シャドウさん。」
ピク
シャドウの体はわずかに動いた。
ウィップ「これでは、この世界を救おうなんて無理な話ですよ!」
シャドウは、その言葉に反応したように起き上がった。
そして、目をつむっていた。
ウィップ「立ちましたね。行きますよ。ウッド・ニードル!」
シャドウ「・・・・・・・・・・・・」
キィィィン!
シャドウの、1メートル先くらいで、ウッド・ニードルは消え去った。
ウィップ「何でしょうか・・・・・・いきなり・・・・・・」
シャドウ「・・・・・・・・・・・・」
ウィップ「まだですよ。倒木!」
シャドウの周りに、10本の大きい木が生えてきた。
シャドウ「・・・・・・・・・・・・」
すると、大木は全て同時にシャドウに向かって倒れてきた。
ウィップ「これから、逃れたものはほとんどいません。この分厚い木を破壊した者もいません!あなたはどうしますか?」
シャドウ「・・・・・・・・・・・・!!!」
シャドウは、目を開けた。
その瞬間
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
シャドウからものすごい重圧が出てきた。
ウィップ「吹き飛ばされる・・・・・・・・」
ウィップは地面にへばりついて、耐えている。
すると、シャドウに倒れかけていた大木が、ウィップに向かって飛んできた。
ウィップ「え?」
ウィップは、思わずその場で目をつむって、うずくまった。
・・・・・・・・・・・何秒だっただろうか。でも、ほんのわずかだった。
ウィップは目を開けた。そこには、もう大木は無かった。
ウィップ「え?木は・・・・・・・・・?」
シャドウ「・・・・・・・・・・・・・」
ウィップ「まさかあなたが、あの一瞬で・・・・・・?」
シャドウは無心状態から戻った。
シャドウ「ふぅ・・・・・・・・確かにあの木を消したのは僕だ。でも、僕の意思じゃなく、体が自然に動いたものだ。いや・・・・・・・無心の時の行動は全て自分の意志ではない。」
ウィップ「・・・・・・ふふふ・・・・・でも、助けてくれたことには変わりは無いですよ?やはり、最初から負けることは分かっていました。でも、こんなに強いとは思いませんでした・・・・・・」
シャドウ「・・・・・・・・」
ウィップ「あの時のあなたには、誰も勝てません。この世界を救うのはあなただけですね。早くしなければ、私たちも消されてしまうかもしれません・・・・・・・・・・・あの方ではなく、あなた達の言うあの怪物に・・・・・・・・」
シャドウ「知っているのか?」
ウィップ「ええ。昔の噂を少し聞いただけですがね。」
シャドウ「一刻も早く奴を倒し、怪物を止めなければ。」
ウィップ「私も御友(おとも)しますよ。みんなは終わりましたかな?」
シャドウ「強力な味方だ・・・・・・・助かる。行くぞ。」
続く