26話~目的~
「・・・・・おい、何処へ行く気だ?」
先ほどから速足で突き進んでいるジュエチャに聞く。
周りにはチャオ、チャオばかり。その隙間から店らしきものが見える。
ある意味不気味だな、とエメラスは顔を顰めた。
「何処も何も無い。・・・所で、リマ。闘技場はこの都にあるか?」
エメラスの言葉を軽く流し、リマに問う。
「え?あ、うん。あるわよ。」
何故だかボーッとしていたリマは、一瞬言葉が詰まる。
「そうか、・・・なら次の目的地はそこ、闘技場だ。」
そうジュエチャが言うと、リマは合点したというように、ポン、と手のひらを叩いた。
「ナルホドね。確かに彼らもそこに向かってれるみ・・」
リマの言葉が途絶えた。
フェニクが恐る恐る聞く。
「ど・・・どうしたの?」
すると、少しうつむいて、
「壊された・・。」
と呟いた。
するとランスは「はぁ・・。」とため息をつき、
「・・・・まぁ、そのうち気付くだろうな、あいつら。」
「・・とにかく、目指す先は闘技場。そして、優勝する事だ。」
すると、全員が簡単に返事をした。
一方レッドメア達。
「・・何処?此処。」
ヒットがぼやく。
そこへレッドメアが間髪をいれずに、
「知るかよ。・・・知ってたら能無しの貴様にも教えてる。」
と、喧嘩を売るような感じに言う。
するとヒットは腹を立てる。いつもこうだ。
「ぼやくな。・・・地図がある。」
ナイトが如何にも呆れたと言うように言う。
「・・・本当だ。」
と、隙を見せたレッドメアにヒットが殴りかかる。
「王都エルヴァトール。・・・此処に向かいましょう。阿保は放っといて。」
こうして、それぞれの行く先が決まった。
続く。