発進！！チャオの最終兵器！（その１０） ページ1

海と大地のハザマにあるという、バイチャオンウエル。
全ての魂の帰る場所とも言われるバイチャオンウエルは、地上ビトの邪念により、淀んだ世界となっていた。
その淀みを浄化すべくチャミーは、地上世界で地上ビトの邪念のカタマリとついに対峙する。
ジュエル四天王の澄んだチャオチカラ、そして地上の全てのチャオの、平和を愛するチャオチカラが、チャミーの操るチャオバトラーに、新たなチカラを与える。



ニュートラハシリタイプ（ピンク枠でのハシリ二次進化）のチャオの外見をした、チャミーのチャオバトラー。
そのチャオバトラーが進化のマユに包まれます。

その体は、ニュートラノーマルの姿となり、全身水色で、おててとあんよとおつむの先端が黄色いチャオの姿です。
なぜかお口は、いわゆるニコニコ口です。
チャオとして、一番オーソドックスな姿です。
そして、操縦方法が変わります。
今までは普通に操縦桿を握って操縦してたのですが、コックピットは全方位視野型の球状コックピットです。
チャミーの両手両足にワイヤーが結ばれます。
チャミーの動きがそのままチャオバトラーの動きに直結するのです。
いや、進化したチャオバトラーは、チャオバトラーではありません。
その名は、

「チャオバスター！」

進化のマユから出てきたチャミーは、その名を叫びます！
チャミーは、コックピットで腕組みします。
チャオバスターも、腕組みします。

そこへ、巨大な邪念体は触手を伸ばします。
チャオバスターと同じくらいの太さの触手です。
粘っこいその触手は、その先端にチャオバスターを飲み込みます。

「このチャオバスターを、ただのマシーンと思わないでちゃお。」
チャミーは腕組みを解き、自然体に構えます。
チャオバスターも同じ動きをします。
その動きで、邪念体の触手の先端部分がはじけ飛ぶ。

「このチャオバスターにはジュエルチャオ達の、地上のチャオ達の、みんなの、みんなの想いがこもってるちゃお～！チャスタービーム！！」
チャオバスターのヒタイから、一筋の光線が放たれる！

チャオバスターへと伸びた触手は、その先端の方から崩れていく。
チャスタービームは触手を崩壊させていき、ついには巨大な邪念体の本体にたどり着く。
チャスタービームの光線は、巨大な邪念体を貫く。
しかし邪念体は、無数に分裂してチャスタービームによる消滅を免れた。

「チャスターミサイル！」
チャオバスターは両手を前に向け、おてての先端から、無数のミサイルを放つ。
前方の、チャオバスターの五倍くらいの邪念体が、チャスターミサイルによって、消え去っていく。
しかし、その邪念体は自らの外殻をはすし、中から巨大な槍状の邪念体がチャオバスターめがけて飛び出す！
大爆発する邪念体の外殻。その爆風をも利用し、凄まじい速さで槍状の邪念体がチャオバスターに迫る。
槍というよりも、二等辺三角形とでもいうような形状の邪念体。
チャオバスターを貫き、そのままチャオバスターを真っ二つにしようとする。
槍状の邪念体は、チャオバスターの機体に刺さる。チャミーは両手で槍状の邪念体をつかむ。
槍の切っ先がチャオバスターの背中から飛び出た時、槍状の邪念体の動きが止まる。
「捕まえたちゃお。」
チャオバスターは邪念体をつかむ両手を離すと、思いっきり左のパンチを、そして右のパンチを叩き込む。
邪念体にめり込んだチャオバスターの両手の装甲がめくれ上がり、中から放電用の幾つかのアンテナが飛び出る。
ばちばち。
かすかな放電。
「チャスターコネダー！！」
チャミーの叫びと供に、雷の数倍の電圧が流される！

ぼこぼこぼこ～～ん！
槍状の邪念体は消滅する。
「そんな攻撃で、このチャオバスターをやっつけられると、思わないでちゃお！」
邪念体達は、槍状のにチャオバスターが手間取ってるうちに、四方へと展開していた。
そして、チャオバスター目掛けて集中砲火。
迫りくる無数のビーム兵器。
「チャスターシールド！」
チャオバスターはどこからか卵の殻を取り出して、その中に入る。
集中砲火のビームは、卵の曲線に沿ってそれていく。

「そんなもので、チャオバスターがやられると思ってるちゃお～？！」
チャオバトラーは、チャスタービームを四方八方打ちまくる。
無数の邪念体が炎に包まれ。消滅する。

「ん？」
チャスタービームを放ち、攻勢なチャオバスターが突然大きな影に包まれる。
暗い影の中で、チャミーは上を見る。
巨大な球状邪念体が落ちてくる。
同時に、チャオバスターのレーダーは、もう一つの機影を捉えていた。
なんと、下からも同じ様な球状邪念体が迫り来る！

ずどご～ん！！

二つの球体に挟まれるチャオバスター。
チャオバスターは両手両足でなんとか支える。
しかしチャオの手は短い。万歳しても、頭の半分くらいしか手は上がらない。
つまり、上からの邪念体は、チャオバスターのお目目の辺りまでめりこんでいる。

「まさかこんな攻撃でくるちゃおとは、思ってもみなかったちゃお。」
チャオバス