チャオバトラーチャミー（その６） ページ1

海と大地のハザマにあるという、バイチャオンウエル。
全ての魂が帰る場所ともいわれるその世界は、地上ビト達の邪念により、淀んだ世界となっていた。
チャミーはそんな世界を浄化すべく、ジュエル四天王に挑む。

ルビーチャオ、サファイアチャオと順調に浄化してきたチャミー。
エメラルドチャオはダークカオスに進化するも、その危機はなんとか乗り越えた。
そして最後のジュエル四天王、対アメジストチャオ戦をむかえた。

Ｃ−１グランプリの会場。
チャミーは、アメジストチャオと対峙する。
ニュートラヒコウタイプのアメジストチャオ。背中にはヒコウタイプ特有の、二対の大きな翼が綺麗に輝いていた。

二人の目の前で、審判のオモチャオの目が回る。今回の試合方法を決めるためだ。
オモチャオの目には、ロボットが映る。
「今度ノ試合方法ハ、ちゃおばとらー戦チャオ！」
「はあ？チャオバトラー？」
チャミーは頭の上にハテナマークを浮かべます。

「はっはっは～。チャオバトラーも知らんのか。チャオバトラーとは、これのことだ。はあっ。」
アメジストチャオは自分のチャオのアレにチャオチカラを集中させる。
アメジストチャオの影が伸び、それが上空へと膨らんでいきます。
そして、アメジストチャオの１０倍の大きさに膨らむと、アメジストチャオと同じ外見、同じ輝きになります。
その腹の部分が開きます。そこはコックピットになってます。
アメジストチャオは、コックピットに乗り込みます。
「これがチャオバトラーだ。お前も自分のチャオチカラを使えば、これくらい出来るはずだ。やってみろ。」
「え～？なんか無理がないちゃおかぁ？」
しぶしぶ見よう見まねでやってみるチャミー。
チャミーも、自分のチャオバトラーに乗り込みます。

「デハ、試合開始チャオ！」

ガッチンガッチンガッチン。
アメジストチャオはチャオバトラーを前進させます。
「って、どう操縦するちゃお～。」
チャオバトラーのコックピットでチャミーは途方にくれます。
このレバーかな？
ぐい～ん。
コックピットが開きます。
「チャオバトラーの操縦は、六つのバランサーと一緒に二つの手足のフィードバックさえ気を付ければ大丈夫よ！」
コックピット内に、チャ・フェラリオのミィが飛び込んできました。
コックピットを閉じ、ミィの言う通りに操縦してみるチャミー。
こてっ。
アメジストチャオのチャオバトラーにやられる前に、自らすっ転ぶチャミーのチャオバトラー。
「やっぱり無理ちゃお～。どうしろって言うちゃおよ～。」
ばちん。弱音をはくチャミーのほっぺをミィがはたきます。
「なに言ってるのよ、チャミー。他を頼っちゃ駄目よ。肌で感じ、心で判断するのよ。そうすれば身体が自然と動くわ。きゃ～。」
そんなチャミーのチャオバトラーにストンピングを浴びせるアメジストチャオのチャオバトラー。
「全然手ごたえのないヤツめ！」
アメジストのチャオバトラーは、チャミーのチャオバトラーの頭をつかみ、無理やり立たせます。残った方の手で、チャミーのチャオバトラーの腹を殴ります。
「お前も元は、Ｃ−１グランプリのチャンピオン！」
アメジストのチャオバトラーは、両手でチャミーのチャオバトラーの頭をはさみ、膝蹴りを腹にぶち込みます。
「チャオバトラーの操縦くらい、訳ないでしょう！」
って、初めてロボットに搭乗していきなりの実戦で戦えるなんて、ニュータイプくらいでしょう。
アメジストチャオのチャオバトラーは、チャミーのチャオバトラーに回し蹴りをぶちこみ、吹き飛ばします。

「チャミー、しっかりしてよ！」
チャミーの横で、ミィが叫びます。

どかどか。
倒れたチャミーのチャオバトラーに、ストンピングをあびせるアメジストのチャオバトラー。
「こんなものだったのかよ、前チャンピオン！」

どうすればいい？
チャオバトラーのコックピット内で自問自答するチャミー。
『他を頼っちゃ駄目よ。肌で感じ、心で判断するのよ。』
さっきミィに言われたことを思い出すチャミー。
そうちゃお、なまじ見えてるから戸惑うちゃお。だったら…。
チャミーはモニターのスイッチを切ります。
これで外部の様子は見えません。
「な、何やってるのよ、チャミー。」
「黙ってちゃお、ミィ！」
チャミーは目をつむり、全神経を集中させます。
「な、な、な、なめやがってぇ！」
ろくに操縦も出来ないヤツがモニターを切る。
そんなチャミーの行為にぶちきれるアメジストチャオ。
「これで終りだ、手甲剣！」
アメジストチャオのチャオバトラーの右手の甲から、短剣がとびだす。
「死ねぇぇ～！！」
その右手で殴りかかるアメジストのチャオバトラー！
「今ちゃお！」
チャミーは目を見開きモニターのスイッチを入れ、スロットルを全開にします。
アメジストのチャオバトラーのパンチをかわし、上空高くジャンプするチャミーのチャオバトラー。
「なに？」
チャミーのチャオバトラーは上空で伸身の後方宙返りを二回決め、その間に一回ひねりを加えます。
「イ・ナ・