第五話 旅の始まり

レイラ「ったく・・・校長もいきなり何を言い出すかと思ったら・・・」

クロウ、レイラ、フローラの三人は、出発の準備をはじめていた。

なにしろ、大掛かりな計画だ。学校側が少ないが、食べ物などをくれることになったのだった。

クロウ「まぁ、しかたないんじゃねぇか?いつかは現われるって言われてたしな。」

フローラ「当分は、この三人で行くことになりそうですねぇ。」

他の皆もすでにグループを組み始めている。

クロウ「そういや、あの戦いのこと、何も聞いてなかったっけな。」

乾パンをリュックに詰めながら、クロウはいった。

レイラ「相手の魔術師、技のレベルは高かったけれど、実践慣れしてなかったから、楽勝だったけど? ・・・ただ、気になることが一つあるんだけどね。」

クロウ「気になること?」

レイラ「あいつにとどめをさそうとしたとき、別のやつが来たのよ。女だったわ。それも完璧なワープでね。」

クロウは、背筋に寒気がはしるのを感じた。何か影に恐ろしいものがいる気がしたのだ。

レイラ「そいつは、私と戦う気はなかったみたい・・・。ただ、私の力量を計ろうとしていたみたいだったわ。」

クロウ「そいつらは?どうなったんだ。」

レイラ「女は、刺客を連れて、ワープで消えた。『また会おう。』って言い残してね。」

三人が荷物を詰め終わった時だった。

フローラ「クロウさん、向こうから誰か来ますよぉ?」

???「クロウ~、私達を忘れていくなんてひどいよ~?」

背の高い二人組がこちらへ向かってくる。

クロウ「ミラ・・・それにファングか。」

ミラと呼ばれたその少女は、レイラに飛びかかった。

ミラ「レイラ~! 会いたかったよ~!」

レイラ「おわっ!・・・ミラか・・・」

ファング「よぅ! 俺達もいっしょに行くぜ?」

フローラ「ん~、なんだか急にうるさくなっちゃいましたねぇ~。」

ミラ&ファング「てめぇは黙っとけ!」

クロウ「・・・大人気ない・・・」

ファング「・・・と、冗談はさておき。」

ミラとファングは三人に向かい合った。

ファング「やっぱり、仲間は多いほうがいいしな。 いっしょに行こうぜ。」

ミラ「よろしくねっ!」

クロウ「おぅ! こっちこそよろしくな。」

フローラ「頼りにしてますよぉ、ミラさん。」

レイラ「うるさいけど・・・まぁ、いいか。」

こうして、頼もしい仲間が二人も増えた。

ついに、ここを旅立つ時が来たのであった―

このページについて
掲載号
週刊チャオ第155号
ページ番号
6 / 21
この作品について
タイトル
理想郷へ ―果てしなき世界―
作者
桜(フィルァ,チャチャ,飛諏珂)
初回掲載
週刊チャオ第153号
最終掲載
週刊チャオ第163号
連載期間
約2ヵ月12日