第二話 過去へ伸ばす手
サイスがハルバードに炎の魔法を見せてから十二年が経った。約束の通りに二人は同じ学校で魔法を学んでいた。既に二人は魔法を使う資格を取り、後は卒業するだけという段階にあった。
ハルバードは両親が死亡したためクレイモアの家で暮らしていた。両親が死亡したのは十四歳の時で、二人は同じ日に死亡した。ハルバードの両親は活動家であった。二人は魔法を自由に使えるようにするべきだと主張していた。世界革命はまだ終わっておらず、そのために世界は不幸なままである。そして幸福になるためには全ての人が魔法を制限なく使えるようになって悪しき人間を打ち倒す社会を作らなくてはならない。そうして全人類が悪を叩く剣を持って初めて本当の幸福は訪れる。二人はそのように信じ、時には魔法で人を殺すこともしていたらしい。そして魔法使い同士の戦闘の末に二人は死亡したのであった。クレイモアの家で暮らすようになってから、クレイモアの母に聞いてハルバードはそのことを初めて知った。ハルバードは人殺しの子供と言えたが、クレイモアの両親はハルバードを可愛がっていた。ハルバードの両親が亡くなる前にクレイモアの家でも亡くなった人がいた。クレイモアの弟であった。学校でクラスメイトに殺されてしまったのであった。ハルバードはいなくなった一人を埋めるために引き取られたのだった。
サイスは一人暮らしをしていた。実家には帰っていないから両親がどうしているか不明であった。スピアの家ではアックスが無事ダークカオスチャオに進化した。そしてアックスはある日突然どこかへ行ってしまった。旅に出る、と非常に整った字で書かれたメモが置いてあったらしい。アックスは頭がよかったから本当に旅に出たのだろうとスピアは思ったようだ。公園で野良チャオのリーダーをしていたホープも同時期にいなくなってしまった。そしてスピアは最近旅に出た。きっとアックスを探すためだろうとサイスはハルバードに言った。
学食で昼食を取って、ハルバードとサイスは学校から出た。ハルバードもサイスも華やかな若者に成長していた。ハルバードは体を鍛えた成果で細いながらもがっちりとした体格になっていた。サイスは長い髪の毛を結ったり結わなかったりしていた。今日は結っていなかった。そして白い眼鏡をかけていた。眼鏡をかけなくても日常生活に支障はなかったが、戦闘の中では見えていないことが命取りになると思い眼鏡を作ったのだった。
校門を出たところで男が話しかけてきた。二人より少し年上に見える青年であった。
「ハルバードとサイスだね?」
「そうですけど」
ハルバードは警戒して体を緊張させた。魔法を使えるようになった。体も鍛えている。今ならサイスを守れると自負していた。そして守るつもりでサイスより半歩前に出た。身体能力を強化する魔法を使う。青年が口を開いた。
「久しぶりだな。俺だよ。ホープ。公園でよく遊んだ」
「ホープって」
ハルバードは聞いたことのある名前だと思ったが誰だったか思い出せなかった。サイスが、
「先生?」と驚きの声を上げた。
「そう。大きくなったな、お前ら」
「先生って、え、でも先生はチャオだったんじゃ」
「人間に化ける魔法だよ。凄いだろ」とホープは笑った。そして真顔になる。「ハルバード、今からある人に会ってほしい」
「ある人?」
「市長だ。君に依頼があるんだ」
世界革命の後、町の形が大きく変わった。地図の上では同じ大きさの町が無数に並んでいて、その姿は蜂の巣に近かった。町の名前が数字になったのはどれも同じ形をしているからであった。そして市もまた同じようにほぼ同じ形のものが並んでいて、やはり数字で呼ばれていた。ハルバードが住んでいるのは二市であった。しかし町の番号だけでどこに住んでいるのか伝わるので、市の番号は日常生活の中であまり必要とされていなかった。
「市長が俺に何を?」
「君は魔法使い同士の戦闘訓練で非常に優秀な成績を収めていたそうじゃないか。その腕を見込んで、だそうだ」
「はあ」
「とにかく話を聞いてやってくれ」
そう言ってホープはハルバードを車に乗せた。ハルバードは免許を持っているのかとホープに聞いた。チャオが持てるわけない、とホープは言って車を走らせる。運転は至って普通で、むしろ安全運転を心がけているのがわかった。あまりスピードを出さずに車は走った。
市役所の五階にある市長室にホープが案内した。中に入るとテレビで見たことのある白髪交じりの男が立ちあがって、
「ようこそ、君がハルバード君だね」と言った。
「はい」
ハルバードは市長と向かい合うようにしてソファに腰かける。ホープは二人から少し離れたところで床に座った。あぐらをかいて座っているのがチャオらしいとハルバードは思った。
「早速だが君はカオスエメラルドという宝石のことを知っているだろうか」
「何ですか、それ」
「カオスエメラルドという宝石はこの世界に七つあり、全てが揃うと奇跡が起こるらしい。五十年前、賢者ブレイクが世界を変えたのもカオスエメラルドを七つ集めて奇跡を起こしたからだ」
「そんな物がこの世にあるんですか」
「驚くのも無理はない。私も先生から聞くまでそんな石が存在しているだなんて知らなかったのだからね」
市長は苦笑いして、ホープの方を見た。ホープの手には黄色の宝石が乗せてあった。市長は、おそらくカオスエメラルドのことを知っている者は非常に少ないだろう、と言った。
「五十年前、人々は記憶の一部を失った。それは人によって失った記憶が異なると思われているが、実際には少し違ったようだ。全人類が失った記憶がある。そしてそれに関する記録さえもなくなっている。そんな喪失がこの世界では起きていたんだ」
「だがそれは本当に全ての人間の記憶を消すに至らなかった」とホープが引き継いで言った。「消えたはずの記憶を持ったままの人間、あるいはチャオがいた。そして俺はカオスエメラルドの記憶を偶然失わなかったというわけだ」
ハルバードは非常に厄介なものに巻き込まれたのだと悟った。ホープは市長からの依頼があると言って連れてきた。世界革命によって人々の記憶から消えた奇跡の力を持つカオスエメラルドが関係するのである。残りの六つを、どこにあるかわからないが探せとでも言われるのだろうか、などとハルバードは考えていた。
「そのカオスエメラルドを狙っている集団がいる。彼らはカオスエメラルドを立て続けに奪った。偶然とは考えにくい。彼らは殺人も躊躇わない。カオスエメラルドにそれだけの価値があるとわかっているのだろう。彼らは世界を変えるつもりだ。五十年前賢者ブレイクがしたように。彼らは自分たちを英雄と呼び、争いのない世界を作ると主張しているようなのだが、それが本当にいいことだとは信じ難い。君には彼らを倒してほしい」
「私にできることなのでしょうか」
人殺しを平気でする連中だ。しかもカオスエメラルドの強奪に成功している。そのような者たちと戦えるだけの実力があるのだろうか。ハルバードには実戦経験がなかった。だから自分の実力を過信しないように努めてきた。その冷静さが彼に自信のない発言をさせたのだった。
「ああ、いや、すまない。無理に戦えと言うつもりはないんだ。私たちは優秀な魔法使いには一通り声をかけるつもりでいる。しかしどうかカオスエメラルドの回収には協力してほしい。カオスエメラルドはまだ四つある。せめてその四つは守り抜かなければならない。回収の際、彼らと遭遇しないとは言い切れないから、実力のある者でないとこの役目は務まらない」
「まあカオスエメラルドの回収であれば、お金がちゃんともらえるなら、いいですけど」
「勿論情報も給料も出すよ。世界のための仕事だ。危険もある。私たちは君を全力でサポートする」
ハルバードは結局この仕事を引き受けた。かなりの額をもらえることになったからだ。カオスエメラルドを手に入れればボーナスも出る。それにもう一つ理由があった。もし自分が七つのカオスエメラルドを全て集めれば自分の望みを叶えられる。ハルバードは過去を変えたいと思った。世界を変えるなんて大袈裟なことをするつもりはない。ただサイスの両親をもっとまともな人間に変えることができたら、サイスは幸せに暮らすことができたはずだという思いがあった。彼女のことを守りたいと思った。それが死ぬかもしれない旅に身を投じるほどの理由に足り得るかどうか、ハルバードにはわからなかった。それでも行こうと思った。彼女に何もしてやれなかった過去を消すために。昔の自分の弱さを今の自分の強さで上書きするために。
市役所を出ると、サイスがいた。
「や」と言って彼女は手を軽く挙げる。
「あれ、どうして」
「タクシー乗ってきた。気になったから。何の話だったの?」
これから学校は休むことになる。サイスには教えておいた方がいいと思って、ハルバードは市長から受けた依頼のことを話した。話を聞いてサイスは、
「私も行く」と言った。
「え」
嬉しいものの不安もあった。当然ながらサイスが死なないとは限らないのだ。
「だってもしかしたら死んじゃうかもしれないんでしょ。そんな旅に一人で行かせるなんてできないよ。私強いから二人で戦えばきっと大丈夫だよ」
ハルバードは、自分がサイスの死を心配しているようにサイスは自分の死の可能性を見ているのだと気付いた。彼女は本当に強い。魔法の才能は学校で一番だった。断ろうにも合理的な理由はない。それにサイスと一緒に旅ができると思うと心が躍った。
「うん。わかった。よろしく頼むよ」
「やった。よろしくね」
一度家に戻って旅の準備をすることになった。持っていく服を最小限に抑えたらリュックサック一つで十分だった。仕事に必要な金として既に現金を受け取っていた。来月からは口座に振り込まれることになっている。とにかく金があるのでどうにかなると思われた。市長から受け取った片手で扱える剣をコートに隠し、クレイモアの母に挨拶した。
「仕事で出かけることになったのでしばらく帰ってきません。もしかしたら帰ってこれなくなるかもしれません。今までありがとうございました」
「そんな急な。明日ってわけにはいかないの」
「人の命が関わる問題だから。なるべく急ぎたいんです。クレイモアとお父さんによろしく伝えておいてください」
ハルバードは足早に去って会話を終わらせ、家を出た。人の命はどうでもよかった。早くサイスと合流したいと思っていた。
二人はバスに乗って南の方にある〇八三町へ向かった。〇八三町は町のほとんどの建物が店舗であった。裏通りに入ると盗撮のためのカメラを売る店などがある。闇市の名残のある一帯には英雄と名乗る集団に協力的な者が集まっている。そして彼らはカオスエメラルドを手にして、英雄と名乗る集団に渡す予定でいるらしい。市役所でホープからそう聞いたのであった。
「とりあえず今日は泊まる場所を探そう」
ハルバードはそう提案した。大通りには高いビルの店舗が建っている。そこから離れていくほど商売の雰囲気はなくなっていく。十分ほど歩いてビジネスホテルを見つけた。あそこだ、とハルバードが指さすと、後ろからクラクションを鳴らされた。そして、
「おおい、ハルバード、サイス」と呼びかける声がした。振り向くと、クレイモアが車から顔を出して手を振っていた。
「クレイモア」と二人は驚いて叫ぶ。「どうしてここに」
「お前が旅に出るっておふくろから聞いて、バス乗るのが見えたから、追っかけてきたんだ」
クレイモアは二人を後部座席に乗せる。ホテルに向かって車をゆっくり走らせる。
「途中でバス見失ってやばいと思ったけど、どうにか会えてよかったよ」とクレイモアは一度笑ってから、
「なあ、俺も一緒に行かせてくれないか」と言った。
「駄目だ」
ハルバードは即答した。クレイモアは戦えない。魔法を使う資格を持っていないのだ。足手まといになるし、その上サイスと一緒にいるのを邪魔されたくなかった。
「頼むよ。俺にはやらなきゃいけないことがあるんだ」
「なんだよ、それ」
「俺は賢者ブレイクに会って話がしたいんだ」
ハルバードはサイスの方を見た。サイスもハルバードを見た。賢者ブレイクはサイスの祖父だ。そのことを話したのだろうかと思って見たのであったが、互いに同じことをしたからどちらも話していないのだとすぐにわかった。そしてクレイモアは、
「過去のことを知りたいんだ」とサイスとは全く関係のないことを言った。「何かがおかしい気がするんだ。もしかしたらブレイクしか知らない何かがあるのかもしれない」
「どうしてそう思うんだ」
そう聞かないわけにはいかなかった。ついさっき市役所で普通の人は知らない記憶について聞いたばかりであったからである。
「大した根拠はない。ただ昔じいちゃんが変なことを言ってたんだ。世界革命が起こる前は恐ろしい世界だったって。でも最近それは変だって思ったんだ。エネルギー問題はあったけど、まだ生活に困るような段階ではなかったんだろ?それなのに恐ろしい世界って言うのは変じゃないか。そうだろ?」
「ああ、確かにそうかもな」
「五十年以上前、世界は何か酷い問題に直面してたんじゃないかと俺は思うんだ。そのことを世界革命の後、皆忘れてしまった。記憶が失われたんだ。もしそれを知っている人間がいたら、賢者ブレイクなんじゃないかって思うんだ」
「なるほどな」
「やらなきゃいけないって、どうして?」
今度はサイスが聞いた。車はもうホテルの駐車場に止められていたが、三人は車内で話していた。
「俺は知りたいんだよ。真実が。でも俺の周りにはその真実がなかった。だから見つけたいんだ。嫌だと言っても付いていくからな。俺も今日はここに泊まる」
クレイモアはそう言って車から降りた。ハルバードはサイスに、
「大変なことになったな」と言ってから降りた。
ホテルのロビーは狭かった。入ってすぐの所に受付がある。そしてエレベーターの傍に自動販売機が一台だけ設置されていた。紙コップと飲み物が出てくるタイプのものであった。ハルバードがコーヒーを買った。トリプルの部屋があったのでその部屋に泊まることになった。部屋に入ってすぐにハルバードはクレイモアを追い出そうとした。
「少しくらい休ませてくれよ」
「知るか。大事な話があるんだ。出てけ。ついでに飯買ってこい」
「わかったよ。服とか買わないといけないしな。いっそ一度家に戻るかな」
ベッドに腰掛けたばかりであったが、ぶつぶつ言いながらクレイモアは立ち上がる。そして出ていく際に、
「しばらく帰ってこないから安心しろよ」とからかうように言った。
ドアが閉まってハルバードは溜め息をついた。
「さて、どうするか。このままだとあいつ本当に付いてくるぞ」
「別にブレイクに会いに行くわけじゃないのにね」
サイスはブレイクのことをおじいちゃんとは呼ばない。会ったことがないために繋がりを感じていないのであった。
「死ぬかもしれないって所に連れていくわけにはいかないよな」
「やっぱりそれかな。死ぬかもしれないから帰ってって」
「それでも付いてくって言ったら?」
「どうすんだろ」
サイスは首を傾げた。そのまま何も言わない。
「殴って気絶でもさせるか」
ハルバードはそう言って拳を振り下ろす動作を見せた。
「あ、それいいかも」とサイスも真似をした。
「実際それしかないかもな」
またハルバードが拳を振り下ろす。二人はしばらく発言するごとに拳を振り下ろしていた。
翌朝ハルバードはコンビニで買ったサンドイッチを食べながら、
「あのさ、クレイモア。これから魔法の戦闘になるかもしれない。危ないから付いてこない方がいい。死ぬかもしれない」と話した。
「俺も行くよ」
さらりと言うので、話を聞いていなかったのではないかとハルバードは思い、
「だから、死ぬかもしれないんだって」と言った。
「お前たち何しようとしてるんだ?」
「何って」
自分たちの仕事についてクレイモアにどこまで話していいのだろうか。クレイモアを同行させないつもりでいるハルバードは全て隠していたい気分であった。しかしサイスが、
「カオスエメラルドっていう凄い宝石を集めなきゃいけないの」とあっさり話してしまう。
「凄い力を持った宝石でな。悪いやつに狙われてて、俺たちが回収しないと世界が危ないんだ」
ハルバードは秘密にすることを諦めた。話して、戦えない人間が一緒にいるべきでないことをわからせようと思った。
「その悪いやつっていうのが、人殺しも躊躇わないって集団なんだ。だから殺し合いになるかもしれない。そうなった時俺たちはお前を守って戦う余裕はない」
「だから付いてくるなと?」
「そういうことだ」
「わかった。行くよ」とクレイモアは真顔で言った。
「ギャグだよな?」
クレイモアはにやりとした。
「本気だよ」
ハルバードはしかめっ面になる。どうして行こうという気になるのか理解できない。やはり気絶させるしかないのだろうかと思った。
「先生がどっか行って、アックスも旅に出て、スピアまでどこか行っちまっただろ。そんでもってお前たちは死ぬかもしれない旅をすると言う。俺は知りたい。知らないまま過ごすのは落ち着かないみたいなんだ」
「だからってお前」
「死なないように気を付ける。危ない所ではお前らから離れて行動するし、いざ戦闘になったらすぐ逃げる」
ハルバードはサイスに目をやった。サイスも困った顔をしていた。
「本気なら仕方ないのかな」
そうサイスが言うと、ハルバードもそうかもしれないという気持ちになった。
中古の品を売っているという店に三人は入った。扱っている品は様々で、結婚指輪と思われる物や刃物、古いラジオなど統一感がない。盗品やゴミから拾った物であろうとハルバードは思った。クレイモアを店の出入り口のすぐ傍に待機させ、ハルバードはカウンターにいる店主に話しかける。
「なあ、最近英雄って名乗ってるやつらが活躍してるらしいって噂聞いたんだけど、知ってる?」
体の細い店主は迷惑そうな顔をした。
「聞いたことあるな」
「そいつらが狙ってる宝石、カオスエメラルドって言うらしいんだけど、知らない?ここら辺にあるって話を聞いたんだけど」
手掛かりがないのでこうやって話しかけて探ろうと、昨日ハルバードとサイスと二人になった時に決めていた。店主はハルバードとサイスを睨んだ。それで関係者だとわかった。サイスが右手を店主に向けようとする。魔法で威嚇するつもりであった。しかしそれより先に店主の動いた。薄い端末を手に取り、カウンターを飛び越えた。そして逃げながら端末を操作する。店主は店から出て行った。その後にクレイモアも逃げる。ハルバードとサイスはカウンターの中を調べる。その奥にある部屋にも、ドアを魔法で吹き飛ばして入る。カオスエメラルドは見当たらなかった。店から出ると数人に囲まれていた。彼らは出てきた二人を狙って魔法の弾丸を撃った。それを二人はバリアを展開して防いだ。防いでなければ頭や胸に当たっていたようだった。ハルバードは道の真ん中で倒れているクレイモアを見つけた。逃げているところを見つかったのだろう。頭が破損しているのが見えて、既に死んでいることがわかった。ショックを受けたが冷静なままであった。クレイモアの死が一つの状況としてすんなりと頭の中に入った。生きて帰るには殺すしかないと思った。そして何が何でもカオスエメラルドを手に入れる、と決意する。サイスはまだクレイモアを見つけていなかったが、ハルバードと同じことを考えていた。